2021年10月9日土曜日

娘に伝えた”人生において大切なこと”

 「ねぇ、ママ。私11年生になるでしょ。ママから教訓っていうのかな、私に”生きる上での心構え”みたいな言葉がほしいの」

 インターナショナルスクール11年生(日本の高2)の新学期が秋から始まるにあたり、娘から突然こんなことを頼まれました。思いがけないことで、驚きました。私自身、先人たちの言葉をいくつか心に留めていますし、子どもたちにも日常的に躾の一環として伝えていることはあります。が、あえていくつかを選ぼうと考えると、どれもこれも大事な気がして、即答できませんでした。

 で、数日間考えてみました。

  まず、娘に伝えたい”人生において大切なこと”は、やはり、自分の経験に基づくものでなければならないと考えました。本を読んで感動した言葉とか、人から聞いて”なるほど”と思ったことではない。自分の経験に基づくことです。

 たとえば、大リーグで活躍し続けたイチロー選手は多くの名言を残しています。そのうちの一つ「小さいことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただ一つの道だ」は私が大好きな言葉です。イチロー選手が日々たゆまぬ努力をしてきて、それを私たちは知っている。そしてその努力に伴う結果を残してきたからこそ、人々が納得するのです。

 私は何を娘に伝えようか…。やはり、努力をすることはとても大切なことだと思います。努力をし続けることで、私自身、小さいながらもいくつもの目標を達成してきました。取り立てて才能もない私は、努力することでしか、前に進めなかったように思います。特に病気の後の社会復帰にはかなりの頑張りが必要でした。

 努力することと同じくらいに大切なこともあります。私自身の反省から、やはり常に注意深くあることだと思います。もっと注意を払っていたら、失わなかったかもしれないといつも考える大切なものがあります。死産した、娘の双子の弟です。もっともっと体調に注意を払い、もっと早めに入院させてもらえれば、生きて生まれてきてくれたかもしれない。そして、健康についてもそう思います。もっともっと注意をしていれば、病気にならず、9年もの間、闘病生活を送らなくてもよかったかもしれない…。

 あとは、娘に対しての願いです。娘には自分自身を信じて生きていってほしい。自分自身を信じるということは、人生において様々な決断のとき、苦境に陥ったときなど、生きていく上でとても大切なことだと思います。これらのことを 色紙に書いて娘に贈りました。

「真っすぐに努力すること。そうすれば、必ず道は開ける。

 注意深くあること。そうすれば、大切なものは失わない。それでも失ったら、運命。

 自分を信じること。ママは天地がひっくり返っても、娘のことを信じている」

 娘はその色紙を、机の上に置いてくれました。もし、私がまた体調が悪くなっても、私に何かあっても、娘に伝えたいことは伝えたので大丈夫です。娘のために書いた、拙著「がんと生き、母になる 死産を受け止めて」も渡してあります。

 皆さんは、お子さんに、姪っ子さん甥っ子さんに、部下に、若い人たちにどのような言葉を残したいですか?

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