2019年3月24日日曜日

娘の優しさ

 夕ご飯の後、2階にある小さな”仕事場”でパソコン作業をしていると、娘が「ママ~」と言いながら階段を上がってきました。

 「これ、どうぞ」
そう言って、テーブルの上に置いてくれたのはお盆の上に載ったポップコーンと紅茶と小さなメモ。紅茶は数年前に子どもたちが母の日にくれた「Special Mum」というロゴが入ったマグカップに入っていて、ちゃんとコースターの上に載っています。


 メモには「まま、仕事がんばってね」とかわいらしいハートマークをたくさん付けてくれました。娘はこのようなさりげない優しさを示せる子なのです。
 
 息子と娘は一階のダイニングで、パソコンで映画を観ていました。ポップコーンの袋を開けたときに、「ママにも」と思ってくれたのでしょう。心がほんわかと温かくなりました。

 数日後。学校から帰宅した娘に「かりんとう買ってきたよ。おやつに食べてね」(近所のはちみつ屋さんで売っている娘の大好物)と言い、また2階に上がって作業をしていると、「ママ~」と言いながら、階段を上がってきました。

 テーブルに置いてくれたお盆の上には、かりんとうと紅茶とお花と小さなメモ。

「ママ、お花は拾ってきたんだからね。最近、暖かくなってきたから、いろんなお花が落ちているの」

我が家は住宅街にあり、玄関前の道路は地元の小中学校へ向かう通学路です。長くて真っすぐな道路の両側には住宅がひしめき合うように建っており、各家の敷地から出た木々からたくさんの花が道路に落ちるのです。

娘は地元の小学校に通っていたとき、いつも帰宅途中に道に落ちている綺麗な花を手の平いっぱいに載せて帰り、私にプレゼントしてくれました。「他の人のおうちに咲いているお花は摘んでは駄目よ」という言い付けをしっかりと守ってくれて、花びらの一部が茶色になっていて、でも、まだまだ綺麗な花を選んで持ち帰ってくれました。

中2になった今もその言い付けを守り、そして、母親に花を拾ってくれるという優しさを持ち続けてくれる娘。温かい紅茶を入れてくれる娘。私は、ほっこりとした気分に浸りながら、かりんとうをほおばり、紅茶をすすったのでした。

0 件のコメント: