2019年3月18日月曜日

近所の本屋さんに並んだ!

  近所の本屋さんに注文した本を取りに行った10日、ついでに書棚を眺めていると、なんと私の本が並んでいました。それも本棚の真ん中に、表紙をこちらに向けた形で置かれていました。
 

 この本屋さんに、”営業”に行ったのは3日前の7日。私とほぼ同時期に”ひとり出版社(他に社員を雇わず、ひとりで本を作り、出版する出版社)”を立ち上げ、1冊目の本を出版した女性と前日お茶を飲み、お互いに作った本を近所の本屋さんに注文しようと話していたのです。

 そして行った、最寄り駅のビルの2階にある「くまざわ書店」。「ここは勇気を振り絞って、営業をしよう!」と心を決めて、本を並べている女性に聞きました。

「わたし、まりん書房の村上と申します。本の仕入れ担当者の方はいらっしゃいますか?」
生まれて初めての営業。緊張します。
「はい」とにこやかに答えてくれた女性が、後ろの男性に声を掛けました。

その男性は30代くらいでしょうか? ニコリともせずに、私を見ました。私はドキドキしながら、名刺とチラシを差し出し、言いました。

「まりん書房の村上と申します」
「はぁ」
その男性は私の名刺を受け取り、チラリと見て、シャツのポケットに入れました。
「この近所で、出版社を始めました。これが最初の本です。よろしければ、置いていただけませんでしょうか?」
「はぁ、検討してみます」
とだけ言い、その男性は私に名刺をくれることもなく、レジの方に行ってしまいました。

 先日、ひとり出版社の若手経営者4人と「オンライン・ミーティング」(初体験でした。こんなことができるんですね)で話していたとき。
「書店に営業に行っても、歓迎されないこと多いよね」
「店員さんは忙しいからね」
「つれない対応されると、辛いよね」
そんな話を聞いたばかりでしたので、「やっぱり」という気持ちで、私は本を注文しにレジに向かいました。

 その店にはレジは2つあり、その1つの前で男性が立っていました。列に並んで待つと、私の順番が来て、その人のレジになりました。本を注文しようとした私の顔を見上げたその男性は、「あっ、これ名刺です」とぼそっとした声で話し、カウンター越しに私に名刺をくれたのです。

 その人は、私が名刺を差し出したときに、たまたま名刺を持ち合わせていなかったのですね。私が挨拶したときは、「あっ、今、名刺持っていないので、ちょっと待ってください。持ってきますから・・・」などという対応をするでもなく、たまたま、私がカウンターに来たから、名刺を渡してくれたのでしょう。でも、なんかとても嬉しかった。名刺を見ると、店長さんでした。

 さて、3日後の7日午前10時過ぎ。その本屋さんから電話がありました。女性店員からの電話で、注文した本が届いたとのこと。店長さんからの「本を仕入れましたよ」という電話かな、と少し期待しましたが、違いました。

 午後、お店に行きました。そして、書棚を見ると、なんと河野恵子さんの本の横に私の本が。
店長さんはレジに立っていました。私は側に駆け寄り、お礼を言いました。
「ありがとうございます!こんな良い場所に置いてくださって嬉しいです」
「いえいえ」
その店長さんは少し照れたような表情で答えてくれました。

 私はほんわかとした気分で注文した本を買い、その後スマホでパチリと書棚の写真を取り、帰路に着いたのでした。

 

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