私がIさんと出会ったとき、Iさんは50歳でした。働きながら子供2人を育て上げ、2人が大学生のときに仕事の専門性を高めるため、アメリカの大学院に留学しました。
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Iさんと私が学んだ大学のポストカード |
アパートに顔を出すと、Iさんはいつも老眼鏡をかけ、テキストブックと格闘していました。普通の老眼鏡では間に合わなかったのでしょう。水中メガネのような大きな老眼鏡をかけていました。ご主人も研究者で、夏休みや冬休みなど長期休暇のときにIさんの様子を見に来ていました。集中しているIさんの邪魔にならないようにという配慮からでしょうか。部屋の片隅に静かに座っていた姿が印象的でした。
今、私がIさんと同年代になり、視力も体力も衰えてきて、改めてIさんのすごさを実感します。私が40代や50代になって、何か新しいことを始めようとするときに躊躇するときはいつも、老眼鏡をかけて必死に勉強していたIさんの姿を思い出します。そうすると、30年前にIさんが50歳でアメリカの大学院に留学したことを考えれば、今の時代に50代で言葉の通じる日本で何かに挑戦するのは、簡単なことなんだと一歩を踏み出す勇気が出ます。
Iさんは帰国した後、60代で博士課程に進み、医学博士となります。Iさんは「私よりずっと若い教授に、こんな年齢の人を医学博士として世の中に送り出して良いものかと思う、と言われたのよ」と笑い飛ばします。Iさんが成し得たことを考えれば、私の挑戦など本当に取るに足らないことと思いますし、Iさんがいるからこそ、私は目標を失わずに生きることが出来ました。
そのIさんの傘寿(80歳)のお祝いに9月18日、私の大好きな4人組のヴォーカル・グループ「IL DIVO」のコンサートにご招待しました。IL・DIVOのコンサートには2年前、母を連れて行ってとても喜んでもらいましたので、Iさんもぜひお連れしたかったのです。
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観客を魅了した「IL・DIVO」。4人ともハンサムで、とても素敵な声をしています |
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コンサート終了後、たくさんの人がここをバックに写真を写していました |
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