2023年2月4日土曜日

初めての学会参加

  2月1日から3日まで、初めて「学会」に参加しました。コロナ禍、いくつかの学会にはオンライン参加しましたが、実際に足を運んだのは初めてです。

 学会は、同じ学問を研究する学者・研究者らが自分の研究成果を発表し、討論する場です。私が参加したのは「日本疫学会」の学術集会です。同会によると「疫学」とは、「明確に規定された人間集団の中で出現する健康問題のいろいろな事象の頻度と分布およびそれらに影響を与える要因を明らかにして、健康関連の諸問題に対する有効な対策樹立に役立てるための科学」だそうです。何だか、難しいですよね。

 平たく言うと、病気が起こった原因を人々の生活習慣や環境などから探り、その対応策を考える学問です。

 私が前指導教員の下、研究しようとしていたのが「コミュニケーション学」。患者と医師ら医療従事者間のコミュニケーションや、一般の人々にどう医療情報が伝わり活用されるかを研究します。がんサバイバーとしての視点や気付き、元新聞記者としての経験を生かせる分野だと思ったのですが、前指導教官と折り合いが悪く諦めなければならなかった。

 また、指導してほしいとお願いしに行った教授の分野も、コミュニケーション。私が、この分野で研究したいと思った所にことごとく拒絶されたので、縁がなかったのだと思うようにしています。

 ところが、私に医学の知識が足りないので苦手だった「疫学」の先生が、私をチャンスをくれました。振り返れば、修士時代の指導教員は「分子疫学」が専門。分子疫学は、分子レベルでの遺伝及び環境因子と、病気の発生や分布、予防との関係を研究する学問です。

 修士時代の指導教員は、私が持ち込んだ研究テーマについてあまりご存知なかったのに、「僕はその分野はあまり分からないけど、出来るだけのことはするよ」と引き受けてくれた。今回、新しく私の指導を引き受けてくれた先生も、私に疫学の知識がなくても、引き受けてくれた。疫学分野の人がおおらかだというより、私の前指導教員はアメリカ人で、新しい指導教員もアメリカで教育を受けている共通点からかもしれません。

 「多様性」を重んじるという点では、多民族国家のアメリカは日本よりも進んでいます。ですので、バックグラウンドが違っても、年でも、「学びたい」という人間には機会をあげましょうーということなのでしょう。ありがたいことです。

 もしかしたら、これは神様から「疫学を学べ」と言われているのかなーと最近は考えます。今回、学会で研究者らの発表をたくさん見ましたが、分からないことだらけ。ここから、どうやって博士論文のテーマを見つけていくのか、まだ、見当がつきません。でも、いただいたチャンスです。とにかく、頑張ります。

 さて、3日は帰りの新幹線の時間を1時間早めることができると分かりました。普段、金曜日は息子の英語塾への送迎と娘の弓道教室への送迎を夫と手分けして行うのですが、この日は私が間に合わないので、夫は全く逆方向の2人の送迎を何とかやり繰りしようとしていました。

 私が息子のお迎えに間に合うとメールをすると、ほっとした様子のメールが返ってきました。

「ありがとう。助かるよ。この3日間、ご飯を作るのと、習い事の送迎で精一杯だった。洗濯物が積み上がっているけど、出来なかったよ」

 ありがたいなぁと改めて思いました。夫は1日の朝、「学会を楽しんでくるんだよ」と送り出してくれました。昨年は私の悩みも深く、心配してくれていたのですが、このように状況が改善したので、喜んでくれています。

 息子の英語塾のお迎えは普段、我が家から電車で2駅の塾まで行きますが、この日は私が浜松市から新幹線と電車を乗り継げば、自宅の最寄り駅に息子が英語塾から帰ってくる時間に着くことが分かりました。

 夫には息子に自宅最寄り駅で私を待つように伝えてもらい、息子がちゃんと英語塾から電車に乗って最寄り駅に着いてくれるよう願いながら、駅に着きました。急いで改札口に向かうと、息子が改札口前で待っていて、私に大きく手を振ってくれました。

 改札口を出て、ぎゅっと息子をハグ。夫は弓道教室に通う娘を迎えに行っています。子どもたちの習い事の送迎に忙しい、普段通りの夜に戻りました。この当たり前の日常に改めて幸せを感じた夜でした。

 

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