私はその夜、新聞社時代の先輩と会うことになっていました。ちょうど娘と息子のヴァイオリンのレッスンが夕方5時から1人1時間ずつ続けてある日でしたので、子どもたちを先生のお宅に送って一旦帰宅し、夕食の支度をして外出。夫が会社の帰りに子どもたちを迎えに行ってくれました。
私が和食レストランで料理に舌鼓を打ち、グラスを傾けながら先輩と語り合っているとき、夫からは私が準備していたロールキャベツを美味しそうにほおばる2人の写真がメールで送られてきました。
そして、名残りを惜しみながら「また、来年お会いしましょう!お元気で」と先輩と駅で別れ、気分良く帰宅したとき、その絵が玄関で待っていてくれたのでした。
娘は絵が得意です。娘が小さいころは私の体調が悪いときが多く、私がソファやベッドに寝ているときには隣で静かに絵を描いていました。娘はいつも私に絵を描いてプレゼントしてくれました。私の体調が悪いときも、入院したときも、息子を出産したときも、日々の何気ないときにも・・・。
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「また、あそぼうね。まま、だいすき」 幼稚園のころ、お店屋さんごっこをして遊んだ後にくれた絵 |
絵の中で私の隣に並んだ娘はとても小さかったのに、いつの間に私と同じ背丈になりました。娘が私の背丈を超したころから、私と娘が並んだ絵を描いてくれなくなりました。その代わり、花を描いてくれることが多くなったような気がします。
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娘が小6のときに描いてくれた絵。額に入れ、飾っています |
その絵を、娘から贈られた絵を収めてあるファイルに入れました。これまでの絵を一枚一枚眺めながら、娘にはたくさんの贈り物をしてもらったな、無償の愛をもらったな、だから、娘が離れていっても寂しいなんて思わないようにしようと、自分に言い聞かせたのでした。
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