2018年8月10日金曜日

夏休みの課題

  夏休みに入ってから、娘が漢字の勉強に取り組んでいます。インターナショナルスクール7年生(日本の中2)の娘は、夏休み前に小学校6年生の国語の勉強を終えたばかりですが、課題はいつも漢字。文章の読解力はあるのですが、漢字を覚えていないため、成績がどんどん下がっているのです。

  「漢字、嫌いなんだもん」と言い、覚える努力を全くしなかった娘は、たくさんの覚えるべき漢字が頭に入っていません。数年前までは日本語のほうが得意だったのですが、今は英語のほうが読み書きや話すほうも楽になっているため読書も日記も英語で、日本語に触れる機会が益々減っているのも大きな理由の一つです。

 娘と2人で計画を立てました。娘は小4まで日本の公立小学校に通っていましたので、復習の意味で小4の漢字から練習することにしました。物を捨てられない私ですので、当時の漢字ドリルや国語の教科書は取ってあります。物置きをガソゴソと探して、それらを探し出しました。

 1日4文字ずつ覚えていくことにしました。娘には「忘却曲線」について説明し、忘れてしまう前に復習すれば、脳に定着することを教えました。

 2日目。勉強が終わると娘は「ママ先生、ありがとうございました」と言い、私に抱き付いて大粒の涙を流しました。
「AちゃんもBちゃんも、たくさん漢字が出来るの。私だけ、出来なくて、、、」
本人なりに辛かったのですね。「漢字は嫌い」と突っぱねる娘の態度から、「日本語が嫌いなんだ」と判断し、その裏にある本当の気持ちに気付いてあげられなかったことを反省しました。

 娘の学校では学生たちは高校卒業時にIBという、世界の大学を受験できる高校卒業資格を取得します。語学に関しては、日本で生まれ育った日本人や日本人とのハーフの子は、高度な日本語のIBコースを取るか、外国語としてフランス語かスペイン語を取るか、決断を迫られます。娘のような子が、日本語を外国語として取得することは出来ない仕組みなのです。

 そろそろIBコースへの準備が始まる時期にきていますので、この夏休み、娘に聞いてみました。「IBの日本語はどうするの? 嫌だったら、日本語を落として、今習っているフランス語を取っても良いよ」と。

 子供にきちんとした日本語を身に着けさせることに随分こだわった私ですが、バイリンガルの子を育てる難しさと、子供の負担の大きさをここ数年で実感し、「まあ、いいか」という気持ちに傾いていたのです。

 予想に反して、娘は首を大きく横に振りました。そして、言いました。
「ううん、日本語は落とさない。だって、フランス語はもっと嫌いなんだもん」
「そうだよね。フランス語難しそうだものね」と、ひと事のように共感する私。

 このように消去法で残った日本語ですが、娘が日本語を捨てないでくれたのがちょっぴり嬉しかった。で、私のほうも「娘の勉強に付き合うぞ」と覚悟を決めたのです。小1の息子の勉強を見ているので、本当は中2の娘には一人で勉強してほしいという本音はありますが・・・。

 娘が、これまで何度も挫折した漢字の勉強。小4のドリルをぱらぱらとめくりながら、「今度こそ、頑張るぞ」と私も自分自身に気合を入れています。

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