2018年2月2日金曜日

料理の基本

 夫が日曜日の朝、ロンドン出張に出掛けました。普段週末は夫と炊事を分担するのですが、一人でこなさなければなりません。用事が重なっており、どうしたものかと考えました。そこで、思い付きました。子供たちに食事の支度をしてもらおうと。

 さっそく、娘には「今日はうちのシェフになってね」と、息子には「今日はパテシエになってね」と頼みました。喜んだ2人。2人から提示された条件は「ママは口を出さないこと」でした。願ったり叶ったり、です。

「ママ、何食べたい?」
「温かいお蕎麦」
「オッケー!お蕎麦はどれくらいの固さがいいの?」
「ほら、パスタと同じ、アルデンテでお願い」
「オッケー!」

 お昼近くに「ママ、できたよ~」と呼ばれました。テーブルはきれいにセッティングされていました。私にはちゃんとネギがのった温かいお蕎麦。自分たちにはバジルパスタを作ったようです。それぞれ、サラダが付いています。デザートは生クリームがのったカップケーキ。食事は娘が、デザートは息子が作ったといいます。息子は娘の「ルルとララのレシピカードブック」という子供向けのレシピ集を参考に作ったようです。

「すごーく、おいしそう! では、いただきまーす」と私。
「サンキュージーザス(子供たちはクリスチャンです)、いただきます。イェーイ、ヤッター!プレイ(お祈り)」と神様にお祈りを捧げる子供たち。
いつものように、それぞれのあいさつをして、食べ始めました。

娘が言います。
「ダディやママがいつも言っていることを今回は試したの」
「へえ、何?」
「ダディは、『レシピ通りに作るのではなくて、自分の感覚で、新しいものを加えるんだ』って教えてくれたの。だから、バジルペーストにサワークリームを入れてみたの。すっごく、美味しくなったよ」とのこと。

ふむふむ。
「で、ママの言っていることって?」
「ママは、『必要な食材をわざわざ買いに行って作るのではなく、今、冷蔵庫の中にある食材や余ったものを使って、美味しい料理をつくることが大切』って言っているでしょ。だから、少し残っていたレーズンを、カップケーキの上に乗せてみたの」
「そうなんだ。あのレーズンを使ったのは、良いアイディアだね」

「アルデンテ」でゆでたはずの麺は柔らかくて、ふわふわなはずのカップケーキは固めでしたが、とても美味しかった。何より、子供たちが料理を楽しんでくれていることが嬉しかった。

小さいころに和食をあまり食べさせなかったので和食嫌いになってしまった子供たちですが、料理好きにはなってくれたようです。

「美味しかったよ。また、作ってね」
「うん!」 
2人は得意げな表情で、そう答えたのでした。

 

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