さて、今年最初のブログはおせち料理について書こう!とインターネット検索をして仰天しました。なんと、大晦日におせち料理を食べるのは北海道特有の慣習なのだそう。世の中の多くの人は元旦におせち料理を食べるようなのです。そして、実家で小さいころから食べてきた「口取り(菓子)」も北海道特有の食文化らしいのです。
おせち料理は毎年、夫が食べられるものを札幌の母が送ってくれていました。黒豆と紅白なます、千枚漬けとボタンエビ、カニとホタテです。そして、「口取り」も、地元の和菓子の老舗「千秋庵」で年末買ったものを送ってくれていました。ところが、2年前、母から突然言い渡されたのです。
「今年からおせち料理は送らないよ。もう、大変だから作れない。口取りも自分で用意してね。東京に美味しい和菓子屋さんがあるでしょ」
そして、おせち料理のレシピが送られてきました。黒豆を煮るときに使う「釘」と一緒に。
私は動揺しました。母が作る黒豆や紅白なます、千枚漬けは絶品でした。突然、母の味が食べられなくなるのは、本当に悲しかった。
が、そうも言ってはいられません。自分で準備をすることにしました。煮しめだけは毎年作っていましたので、それに加えて一昨年は紅白なますを作りました。昨年末はボタンエビを買ってきて、塩ゆでしました。母からタラバガニとホタテは送られてきましたので、感謝しながら、つけました。口取りは、母が送ってくれていた「鯛の落雁」が大好きだったのですが、こちらではなかなか探せなかったので、近所の和菓子屋さんで生菓子や羊羹などを買いました。
大晦日の食卓
年末、「豆きんとん」を横浜の仕出し屋さんから買いました。お正月には「栗きんとん」が定番ですが、うちはずっと「豆きんとん」を食べてきたので、今更変えたくない。母が「私が小さいころ、豆きんとんをつける役割だったの。家族全員分をつけて、残った豆きんとんを指ですくって食べるのが、楽しみでねえ」と毎年話してくれた思い出があり、その思い出を大切にしたい。が、ようやく探して買ったその豆きんとんは家族には不評でした。あの千秋庵のものを毎年食べてきたため、舌が覚えているのですね。残念ながら、千秋庵は数年前に製造を取りやめたらしいので、あの味に近いものを、私が作るしかない。今年の年末に挑戦してみようと考えています。
アメリカ人の夫と「ピザ」「パスタ」「タコス」が大好きな子供たちに、日本の伝統料理を食べてもらうのは簡単ではありません。今回も、煮しめもお雑煮も子供たちは「全部食べられない」と残しました。
実は毎年、10種の食材が入る煮しめを作るたび(母がそうしてきたので、引き継いでいます)、「喜んで食べてもらえない、手のかかる料理を作るのは気が重い」と思います。でも、たとえ食べてもらえなくても、作り続けるつもりです。いつか子供たちが「美味しい」と言ってくれる日が来ることを願いながら。
0 件のコメント:
コメントを投稿