2021年9月4日土曜日

息子も遂にオンライン授業

  娘の通うインターでの授業が30日からオンラインに切り替わりました。2ヶ月半の長い夏休みが終わり、ようやく新学期とほっとしたのも束の間。生徒に新型コロナウイルスの新規感染者が出たため、校内での感染拡大を防ぐというのが理由ですが、昨年からの度重なるオンライン授業で親子共々疲れています。

 結局、狭い我が家は職場であり、学校であり、食堂であるという状況にまた戻りました。夫も私も娘もオンライン会議システム「ズーム」を使っての仕事や授業がありますので、声を出してもお互いに影響が出ない部屋を調整し合わなければなりません。それが結構なストレスとなります。

 我が家は一軒家で、1階にキッチンとダイニング、トイレ・お風呂場、娘の部屋と寝室があり、2階にリビングと息子の部屋があるという構造。ズームが出来るのは、①1階のダイニングテーブル②寝室のライティングデスク③娘の部屋の机④2階のリビングのテーブルーの4カ所。そのうち、1階のダイニングと2階のリビングは吹き抜けになっていますので、音を遮断したいときは使えません。

 娘の部屋はドアがありますので、娘は本来ならそこで勉強するはず。ところが、「居心地良すぎて、すぐ寝てしまう」という理由で、ダイニングや寝室、リビングに勉強道具とパソコンを持ち込んで授業を受けています。

 私と夫は娘の都合に合わせて、あちこち移動しています。「なんかなぁ」と思いつつ、娘はほっておくとずっと寝ていますので、授業中も寝る可能性が十分あります。ですので、とにかく勉強に集中できる環境を娘に優先して与えています。

 朝、昼、晩と食事を作るのも大変になってきていますので、最近は昼は近くのファストフード店も利用するようになりました。「インターは安易にオンラインに切り替えるから困る」と思いきや、子どもを私立の小学校や中高に通わせているママ友数人に聞いてみると、皆オンライン授業だそうです。「パパも在宅だから、私の居場所がないの」と皆、嘆いていました。

 さて、1日から学校が始まった小4の息子。「オンラインの環境が整っていない公立は本当にありがたい。感染対策を万全にしてもらった上で、給食まで出してくれる」と有難がっていると、遂に4日土曜日、ひとり1台貸与されているパソコンを使って試験的にオンライン授業が行われることになりました。

 3時間授業で、内容は夏休みの自由研究の発表。学校に提出した自由研究を写真に撮り、スライドを作って発表するという小4には高度な内容です。息子の隣に座って見ていると、問題なくスライドを共有できている子もいれば、「画面の共有できません!」と戸惑っている子もいます。スライドが共有できても音声をオンに出来ない子も。私もズームを使い始めたときはこうでした。分かるなあ。

 先生がその都度やり方を説明したり、「学級通信の裏側に手順が書いてあります。もう一度読んでみてください」と根気強く子どもたちに話しかけています。先生も大変だなぁ、頑張って!と応援したくなります。

 子供たちはひとり1分の時間を割り当てられ、発表します。ランチョンマットを縫った子、シャボン玉液を作った子、電車について調べた子、アイスクリームを作った子…。皆ユニークです。発表を見ていると、「きっと、お母さんが裁縫得意なんだろうな」「お父さん、鉄っちゃん(鉄道を趣味とする人たちの愛称)なのかも」と親の趣味や得意分野が想像できてしまうところも面白い。

 我が家もそう。「自由研究何しようかなぁ?」とつぶやく息子のため、理科の参考書をめくってアイディアを探していたときに、石の種類の解説が目に飛び込んできました。それを見て、ひらめきました。「我が家にすでにあるものを使わない手はない」と。我が家には石がたくさん転がっています。家に収まらないので、外にも置いてあります。

 ”最強”なのは、我が家に石に詳しい人がいること。そう、大学・大学院と地質学を専攻した夫です。修士論文が米国ワイオミング州だか、コロラド州だかの石の研究という、強者です。石のコレクションが趣味の夫は、息子をよく近くの川に連れて行き、石を拾ってきます。家の中や外に転がっているのは、その石なのです。灯台もと暗しとはまさにこのこと。「あの邪魔だった石を捨てなくて良かった」と私は自分を褒めたい気持ちにさえなりました。

 息子は石の”研究”に没頭しました。分からなくなれば、夫が一目でその石の種類を言い当てますので、息子も心強かったようです。私も買い替えたばかりのiPhoneのカメラの新機能を使い、石の表面を拡大した写真を撮影しプリントして手伝いました。それらを一枚の用紙にまとめたものを、息子はスライドにしてズームで発表しました。発表後、クラスメートから「石にも種類があるんだ」「僕も探してみようと思いました」などメッセージが続々届きました。発表が無事終わって、私もほっとしました。

オンライン授業を受ける息子

 子供たちの発表を見ていて仰天したのは「東京大学」について調べた女子の発表でした。「私は東大に行きたいので、調べることにしました」とそのテーマを選んだ理由を説明。「ドラゴン桜」というテレビドラマに興味を持ったことも話していました。そして、東大に行った著名人の写真や、東大の入試問題も紹介し、「もし興味があれば、この問題を解いてください」とクラスメートに呼びかけていました。

 テレビドラマを見ない私は「ドラゴン桜」がどんなドラマかも知りません。さっそくグーグルで調べてみると、低迷する高校が舞台で、東大を目指す生徒たちと指導する教員の物語だそうです(理解が合っていれば)。生徒たちからは続々と「ぼくもドラゴン桜見ていました」「東大受験頑張れ!」というメッセージが。「僕も東大行きたいので、その問題解いてみます」というものもありました。

 いやはや、驚きました。東大ってこんなに身近なのですね。東大を夏休みの自由研究に選んだということは、もしかしたら、この発表した女子のご両親は東大卒なのかもしれません。我が家では「東大」という言葉が出ることもないですし、息子も私も「ドラゴン桜」というテレビドラマがあることも知りませんでしたので、絶対に思いつかないテーマで、逆に新鮮でした。

 息子の初めてのオンライン授業。親の私が楽しませてもらいました。


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