4歳の息子が珍しく私の膝に乗り、おっぱいを触ってきました。息子は1歳半で卒乳してから、ぱったりと興味を失っていましたので、「たまに、恋しくなることもあるのかな?」と思ったところ・・・。
「ねぇ、ママ。なんでママのおっぱい下がっているの?」
私の心に広がりつつあった甘い感情を打ち消すような言葉が発せられたのです。
おっぱいが下がっているー。息子の語彙にはなかった言葉です。私は問い詰めました。
「えっ?誰がそんなこと言ったの?」
「●●君」。息子は幼稚園で仲良しの男の子の名前を挙げました。
「そうなんだ。●●君、そんなこと言っていたんだ」
「そう。ママのおっぱい下がっているねって。僕は、違うよって答えたんだけれど・・・」
幼稚園の年中組で、そんな会話がなされているとは驚きです。
私の胸について、正直なコメントをした男の子のお母さんは、私より17歳年下です。輝くばかりの肌と、引き締まった身体と、美しい顔立ちと、そして知性も兼ね添えた女性です。そのほれぼれするような女性を母親に持てば、私なんかは、”くたびれたママ”に見えて当然でしょう。感じたことを正直に言葉に出すのがその年頃の子供のかわいさ。私は妙に納得したのでした。
黙って私と息子の会話を聞いていた11歳の娘に話を振ってみました。
「ママのおっぱい下がっているかな?」
「ううん」
「お腹が出ているって言われるなら分かるんだけど、ママのおっぱい、言われる程下がっていないよね」と少しムキになる私に、娘が容赦ない言葉を投げかけます。
「お腹をおっぱいだと思ったんじゃない?」
「それはないでしょう」と笑いながら、私は出っ張った胃を見下ろし、「そうかもしれない・・・」と思ったのでした。
娘は続けます。
「私は他のママと比べないよ。だって、比べたら、ママがかわいそうだもの」
その言葉に、私は思わず大人げない反応をします。
「ママだって、2、30年前はきれいだね、って言ってくれた人もいたんだよ」
遠い昔の話を持ち出して自分をフォローしたものの、「そうか、ママ、同情されてしまうんだ」とつい、弱気なコメントが出てしまいます。
「違うよ。そっちのかわいそうじゃないよ。つまりさ、ママは若く見えるでしょ。だから、友達のママと同い年ぐらいに見えるの。でも、実際の年を言い合ったら、友達のママのほうがずっと若いわけ。そうすると、『うちのママ、そんなに年とって見えるの?』って友達が悲しむでしょう。そしたら、その話をママにすると、ママが私の友達に”年だ”と思われて傷づくでしょう? それが、かわいそうってこと」
長い説明でしたが、娘の”思考の深さ”に感心しました。
娘が続けました。
「ママ、若くなんか見えなくていい。格好良いママでいてほしい」
若く見えるより高度な要求に、「頑張ろう」と気を引き締めたのでした。
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