2019年10月8日火曜日

けむしちゃん

「ママ~ママ~」。玄関から、息子の声が聞こえます。「●●がいるよ~」と叫んでいるのですが、良く聞こえません。「何がいるの?」と玄関に行くと、息子が私の顔を見て興奮気味にこう言います。「ママ、毛虫がいるんだよ!」
 

ちょうど、子どもたちをヴァイオリンのレッスンに連れて行くところでした。息子の声に娘も反応します。「毛虫いるの?」

娘と一緒に玄関から外に出てみると、息子が今年育てたアサガオのツルの上に毛虫がちょこんと乗っていました。私は虫が好きなほうではありませんが、その毛虫のたたずまいが何とも可愛い。娘はさっとその毛虫を取って、手に這わせます。



「Hello, Cuty(こんにちは、かわいい子)」
そう、毛虫に話し掛けた後、愛おしそうに眺めてしばらく指に毛虫をはわせ、iPhone で写真をパチリ。そんな姿を見て、私の心は癒されます。この秋から高校生になり(日本では中3です)すっかり生意気になってしまった娘ですが、虫好きなところは変わらないなぁと。日々成長する子どもたちですが、時折その言動の中に「前と変わらないところ」「子どもらしさ」が見えると、気持ちが和らぎます。

毛虫を発見した当の息子は、実はあまり虫が好きではありません。でも、虫好きではないというところを娘に見せたくないようです。娘に「ほらっ、手に這わせてごらん。可愛いよ」と言われ、こわごわ指に這わせます。「おねぇねぇ」が大好きな息子ですので、娘に「僕も虫が好きなんだよ」とアピールをしたいのでしょうか?

さて、そろそろ出掛ける時間です。息子がアサガオのツルに毛虫を戻しました。毛虫は明日もここにいるでしょうか。慌ただしく時間が過ぎていく中での、ほんの数分の幸せなひととき。こんな時間が、とても愛おしいのです。


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