2019年7月24日水曜日

娘の中学校卒業パーティ

 娘の中学校(8年生)の卒業式を控え、1学年下の7年生主催のパーティがありました。娘が着ていく服に選んだのは、私の友人からお下がりでもらった赤いドレス。細いストラップがついて、ウエストをギュッと絞った素敵なドレスです。


 昨年、娘が7年生のときに主催した卒業生のためのパーティでは、娘は私が若いときに着た花柄の白いドレスを着ていきました。車で迎えに行ったとき、フランス人の男子からダンスを誘われたことをとても嬉しそうに報告してきたときは、私もそのドレスを着て夫とフランスを旅行したなぁとそのドレスがつむぐ”物語”のようなものを感じたものです。

 娘は去年も今年も、新しいドレスを欲しがらず、私や私の友人が処分し切れず何十年も持っていた”思い出の服”を、喜んで着てくれました。こんな素直さが、娘の一番良いところだと私は常々感じています。そして、私と友人のドレスも、こうして世代を超えて着てもらえて、喜んでいるに違いないなどと思いを巡らせています。成熟した女性のドレス姿も素敵ですが、少女から女性に成長しつつある女の子のドレス姿もまた、初々しさという違った魅力があるのです。

 さて、娘が通うのはインターナショナルスクールですので、厳格な日本の中学校とは趣が違い、卒業パーティとなると、女子はドレス、男子はスーツを着て、ダンスを踊るというのがコンセプト。男子・女子がカップルになり参加することもあります。ですので、パーティの数カ月前から、誰が誰を誘ったとか、断ったとか、申し出を受けたとか、ドレスは何を着ていくのか、などの話題で娘と友達らは盛り上がっていました。もちろん、その話を聞いた母親たちも、ランチ会で情報交換。あるとき、ママ友達から、「今年のドレス赤が多いよね。うちも、結局赤にしたわ。かぶってゴメン!」などというラインがきたことも。

 ガッツのある娘の友達が、ある男子を誘って断られたときは連日夜、その友達から娘に電話がかかってきて悩み相談。娘も真剣に慰めていました。また、ある冴えない男子が、クラスで一番人気の女子を誘ってOKをもらったことも、女子の格好の話題に。

 娘とそんな話題で盛り上がるときは、「ねぇ、誰かから誘われないの?」とワクワクしながら聞いてみましたが、娘には誰からも誘いがなく、娘はそれを気にする風でもなく、逆に誰かを誘うわけでもなく、、、という状況。結局、カップルは2組で、他の男子・女子らは、お友達同士でダンスを楽しむ、ということになったようです。

 ダンスパーティの当日。終了時間少し前に会場に迎えに行った私は、ママ友達と一緒にこっそり会場に入ってみました。会場内は真っ暗でところどころに照明が灯っています。音楽に合わせて子どもたちが楽しそうに踊っていて、笑い声が響き渡り、その様子をテーブルに座る先生らが温かく見守っています。

 パーティが終わり、会場内が明るくなると、娘が私を見付けて満面の笑顔で手を振ってくれました。身長176㌢で、友達より(男子より)頭一つ分大きな、赤いドレスを着た娘を見ながら、「手の平に載るほどに小さかった娘が、こんなに大きくなったんだなぁ」と目頭が熱くなりました。
 
 娘の友達は皆、ドレスに合わせて素敵なサンダルを履いているのに、娘の足は大き過ぎて日本では買えないため、通学用の黒い革靴を履いていきました。「こんなことなら、ネット通販でアメリカからサンダルを取り寄せれば良かった」と胸がチクリと痛みました。でも、娘はそんなことを気にする風もなく、友達と楽しそうにおしゃべりしています。

 去年の白いドレスを着た娘の姿同様、赤いドレスを着た娘の姿をしっかりと目に焼き付けました。娘が成長したら、きっとこの姿を思い出すのだろうな、と思っています。
 

 

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