2017年4月14日金曜日

四つ葉のクローバー

 「四つ葉のクローバーだよ。ママにあげる」
息子が花壇に生えたクローバーを摘んで持ってきました。私にくれたのは、三つ葉のクローバー。四つ葉であろうが、三つ葉であろうが、子供がくれるものは何でも嬉しいもの。私は有り難く、そのクローバーをもらって手の平に乗せました。

 「ありがとう。あら、素敵。何か良いことあるかな?」
 「めっちゃいいことあるよ」
 「たとえば?」
 「たとえば、ダディが早く帰ってくるとかさ」
 「・・・」

 一瞬、言葉に詰まった私でしたが、息子の純粋さに改めて感動しました。「そうか、息子にとって”めっちゃいいこと”は、新しいおもちゃを買ってもらうとか、どこか楽しい場所に連れていってもらうとか、そんな物質的なことではなくて、ダディと遊ぶことなんだ」と。
 
 さて、その後息子とのんびりと家で過ごし、学校帰りの娘を駅まで迎えに行き、ひと息ついた17時50分。夫から電話がありました。今日は早めに会社を出て、もう駅に着いたということです。なんと、息子の希望は叶ったのです。
 「子供たちを近くの公園に連れていくよ。準備させといて」
 外を見ると薄暗くはなっていますが、まだ、十分遊べそうです。

 子供たちに、夫が公園に連れていってくれることを伝えると、大喜び。
 息子が言いました。

 「ねっ、ママ。言ったじゃん、四つ葉のクローバーを見つけたらいいことあるって」

 息子は待ちきれないというばかりに、「玄関の前でダディを待ってるね」と言い、自転車用のヘルメットを被って外に飛び出しました。娘も大急ぎで制服をTシャツとジーンズに着替えて、玄関を出て行きました。

 間もなく夫が帰宅。はしゃぐ子供たちと一緒に近くの公園に向かいました。3人の後ろ姿を見送りながら、私はほんわかとした気持ちに包まれたのでした。

2017年4月4日火曜日

ママの新学期

  4月3日月曜日から娘の学校の新学期がスタートし、娘は元気いっぱい登校しました。3月にいくつかの別れがあり、気持ちが沈んでいた私も娘に倣い、元気に”ママの新学期”をスタートさせました。

 節目の3月は、別れの月。私の場合は今回、14年間診てもらっていた国立がん研究センター中央病院の主治医の定年退職で動揺し、落ち込み、途方に暮れました。それから間もなく、長らく髪をカットしてもらっていた美容師さんの転勤と、毎月会話を楽しみにしていたネイリストの産休・育休で、寂しさは倍に。日ごろ人に会うことが少ない主婦にとって、暮らしの一部となっている人たちとの別れは堪えるものなのです。

 しかし、そうも言っていられません。「気持ちを切り替えなければ」と、新学期前日に積極的に動きました。
 まず、お花屋さんに行き、普段より多めに花を買って、ダイニングから見えるフェンスに飾りました。気持ちが明るくなりました。

 次に自宅に近い美容室に行き、カットとカラーをしてきました。その美容室は清潔感のある、ゆったりとした造りで、若い女性の美容師さんの腕も良く、仕上がりも満足のいくものでした。値段は以前通っていた美容室の半額で、少し得をした気分も味わえました。

 3日は娘と夫を送り出した後、お弁当を持って息子と最寄りの公園に行きました。ベンチに座っておしゃべりしながら、楽しくお弁当を食べました。
 
 人との別れで沈むこともあるけれど、日常の何気ないことを工夫したり、時に変化を楽しみながら、日々の暮らしを大切にしようと思ったのでした。