2025年9月30日火曜日

札幌へ_元同僚に会う

  27日午後の用事を終え、新千歳空港に向かう前に元同僚のTさんに会いました。Tさんとはもう30年近い付き合いになります。今となっては、どうして親しくなったのか覚えていないのですが、会社を辞めてからも年賀状と年に数回のメールのやり取り、そして1、2年に1度会っておしゃべりをするという細く長い付き合いなのです。

 Tさんとは男女6,7人で一緒に鍋をしたり、温泉に行ったりという会社内の遊び仲間でした。その仲間の1人Gさんがうつ病を患い退職し、私が東京に転勤となり結婚してがんを患い退職しても友情は続き、Tさんが横浜の実家に帰省するときに会って近況を報告し合いました。

 Tさんは友人とのつながりを大切にする優しい人でGさんともずっと連絡を取り合っており、私が病気のときも、励ましの手紙をくれました。

「僕は友人が少ないので、村上さんに死なれると寂しくなるので、生きていてください」

 とても励まされました。そうかぁ、私と時折メールで連絡し合い、たまに会うのを楽しみにしてくれているなんて、ありがたい。長生きして、Tさんと美味しいご飯を食べるのを楽しみにしようーと思いました。あの言葉は今も大切に心に仕舞い、折々に思い出しています。

 Tさんとのおしゃべりは仕事のこと、家族のこと、健康のこと、など女性の友人たちと同じような内容です。今回は定年後の話になりました。Tさんは独身で横浜にごきょうだいがいるので戻ってくるのかと思っていたら、定年後も雇用延長で会社で働きたいそうです。会社としてもTさんのように真面目で誠実できちんと仕事をする人は有り難い存在だと思います。

 横浜の実家のご両親は数年前に他界されましたので、こちらに帰省する頻度も少なくなりました。私も札幌の実家がなくなりましたので、同窓会など何か用事がなければ札幌に帰ることもなくなりました。女友達のように、ラインでの気軽なやり取りもしないので、連絡はメールかハガキで「今度帰省しますので、都合が合えば、会いましょう」という至ってシンプルなもの。

 ですので、尚更、今回のように近況を報告し合い、冗談を言って大笑いする機会が1,2年に1度でいいので、続きますようにと願っているのです。

大通公園が見える和食店で

 


2025年9月29日月曜日

札幌へ_赤レンガテラスのカフェでランチ 

  先日、指導教員と私の実質指導係となっている研究員のMさんに博士論文の一部を提出し、Mさんから翌日、さっそく返信がありました。

 Mさんからのメールは以下の2行でした。

「ドラフトを拝見しました。流れが整理されていない印象を受けました。いまのままだと焦点がぼやけてしまうので、以下のような構成で書き直すと良いと思います」

 そして、次の行からは、簡潔に書かれた構成の要点。全面書き換えです。論文は序論、方法、結果、考察、結論の5つの章に分かれ、一番難しいのが研究テーマの背景と目的を書く序論と、研究結果を踏まえての考察。一応、通しで書いているのですが、今回序論のみを提出。そこが全面書き換えなのです。

 この序論で使った参考文献は約40本。Mさんの助言通りに書き直すとあと20本は参考文献がいるでしょう。これを探し、読み込み、引用箇所を探すのは容易ではありません。もうやる気もなくなるぐらいです。それでも、札幌行きの前に5本の論文を探してプリントアウトし飛行機の中で読みましたが、1本目で寝てしまいました。はい。

 土曜日の午前もホテルで論文に向かいましたが、遅々として進まない。用事が午後1時からでしたので午前11時のチェックイン後は論文のことは一旦忘れて、ひとりランチを楽しむことにしました。

 向かったのは前夜、親友のMちゃんと行った赤レンガテラスのカフェ。前日はケーキを食べたのですが、横のテーブルのカップルが食べていたオムライスがとても美味しそうだったので、ぜひ食べたいと思っていました。

 ちょうど、オーストラリアの娘からフェイスタイムで電話があったので、娘とおしゃべりしながらのランチでした。お天気が良く、娘とのおしゃべりは楽しく、オムライスもとても美味しかったので、論文のことはしばし忘れることが出来たのでした。


赤レンガテラスのカフェで食べたオムライス

札幌駅前

 

2025年9月28日日曜日

札幌へ さっぽろオータムフェストに行く

  26日金曜日の夕方、札幌に行きました。27日午後に用事があり、本当なら2泊してゆっくり友人たちと会たかったのですが、博論執筆で追い込まれており、27日夜に帰京するスケジュールを立てました。

 札幌は高校の同窓会で訪れて以来、半年ぶりでした。新千歳空港から「快速エアポート」で札幌駅へ。

 考えてみれば、私が東京に住んで来春で25年になります。この間、札幌も少しずつ街並みが変わりました。当時はなかった、札幌駅と大通公園駅を結ぶ地下歩道を歩くことも出来ましたが、すがすがしいお天気でしたので、大通公園に面したホテルまで外を歩くことに。

 赤レンガの北海道庁の近くを通りました。綺麗な道庁の前で、パチリと自撮り。すっかり観光客です。そのままテクテクあるいて、以前働いていた新聞社へ。新聞社はすでに別の場所に移転しており、ビルは全体が工事中のためにカバーされて外観も見られませんでした。

美しい北海道庁

 大通公園は「2025さっぽろオータムフェスト」というイベントが開かれていました。4丁目から10丁目までビアガーデンが開かれていました。私は大通公園のビアガーデンが大好き。暑過ぎて外にはいられない東京と違い、札幌の夏は本当に気持ちが良いのです。


オータムフェストは美味しい食べ物がずらり

ニセコのピザ屋さんも出店
皆、楽しそうに飲んで食べておしゃべりしています

 26日もちょうど良い気温で、沢山のお客さんが北海道の名物の「焼きトウキビ」や「ジャガバター」「ジンギスカン」「ザンギ(鶏の唐揚げ)」を食べていました。

 ホテルにチェックインし、荷物を置いて、札幌三越へ。高校時代からの親友Mちゃんと会う約束をしていました。札幌三越の地下入り口の前は、昔から札幌人たちの待ち合わせ場所(今は違うかもしれません)です。

 札幌発祥の「スープカレー」を食べる予定でしたが急遽変更して、「さっぽろオータムフェスト」に行くことに。2人でぶらぶらと歩きながら、6丁目辺りで感じのよいテーブルを見つけて、そこに座りました。

良いテーブルがとれました

 私が生ビール(もちろん!)、焼きトウキビ、ザンギ、焼き鳥を購入。Mちゃんがホタテ、ジャガイモ、豚串(私の大好物)、メロンソーダ(Mちゃんはお酒が苦手なのです)をそれぞれ買って、テーブルに座り、モグモグ食べながら、積もる話をしました。Mちゃんとは時折、電話で話をしていますが、やはり会って話をするのは楽しい。

 食べ物はどれも美味しかった。メロンも一切れ買いました。甘くて、とても美味しかったです。

大好きなメロンも。甘かった

 オータムフェストは8時半に終わるので、道庁の前にある「赤れんがテラス」にあるカフェに移動。そこでは、ケーキを注文し、さらにおしゃべりは続きました。閉店時間の10時までいて、話題は尽きなかったのですが、二人ともまぶたが落ちそうになっており、帰ることに。

話し足りずに、道庁近くのカフェへ

東京もいいですが、故郷札幌は気の置けない友人もいるし、食べ物は美味しいし、かつ、市民がみな楽しそうだし、やっぱりいい街だなぁと思ったのでした。

 




2025年9月26日金曜日

娘@メルボルンからの報告 アマゾンプライム

  「ママ、手伝ってほしいんだけど」ー。娘から、そうお願いされました。何かと思いきや、今年2月から毎月600円をクレジットカードから引き落とされており、それが何か分からないため、今月の引き落とし日の前に解決したいというのです。

「明細には何て書いてあるの?」

「PRIMEって書いてあるの」

「アマゾンプライムじゃない?」

「そうかなと思ったんだけど、私、契約していないし。三菱UFJのクレジットカードだから、ママに電話をかけてほしいの。こっちから電話が出来ないから」

 三菱UFJの支店に電話をすると、娘が言う600円は銀行からの引き落としではなく、提携するVisaデビットカードから引き落としになっているため、まずは本人からここに電話をしてくださいとのことでした。

 娘は海外にいて、娘の携帯電話からは海外は電話できないと説明すると、海外からもつながるという電話番号を教えてくれました。

 娘に伝えると、娘はさっそくVisaデビッドカードに電話をしたようです。ですが、やはりつながらなかったそうです。「大学には公衆電話がないのかな?海外にもかけられる電話がどこかにあるはず」とアドバイスすると、さっそく娘は大学に行き、図書館の公衆電話を見つけたそうです。図書館司書さんに事情を説明し、海外(日本)に電話をしたいと説明すると大学のあちこちに電話をして掛け合ってくれたようですが、結局は使えませんでした。

 司書さんはとても親切な人で一緒に問題に対応しようとしてくれたようです。次にセキュリティの人に電話をしてみると、その人はインド人で、海外(インド)にも掛けられる携帯電話を持っていて、それを娘に貸してくれたそうです。

 そして、娘はその携帯電話をお借りして、Visaデビッドカードに電話しました。結局、600円は「アマゾンプライム」からの引き落としだったことが判明。アマゾンに電話をして事情を聞くと時間がかかるため、まずは、Visaデビッドカードを使えないようにしたそうです。そして、新しいカードは帰国後に手続きすることになりました。

 次に娘が思いついたのは、夫とフェイスタイム(家族間は無料)で電話をし、私がアマゾンに電話をして、夫の携帯電話をスピーカーにして、電話の向こうの娘が私の電話でつながるアマゾン担当者と話をすることです。

 そして、私が夫と私の二つの電話を持って、娘がアマゾン担当者が話をしました。結局は娘は何かの操作でアマゾンプライムの契約をしてしまったようですが本人はそのことを全く知らず、かつ、一度も使っていないため、アマゾンプライムを”解約”をしてくれることになりました。そして、600円×7ヶ月分の4,200円は口座に戻してもらうことに。

 いろいろと手間はかかりましたが、娘は知らないうちに入っていたアマゾンプライムを解約することができました。娘の粘り強さには脱帽です。私なら途中で諦めてしまうかもしれません。娘は、「せっかくアルバイトで貯めたお金が無駄になるところだった。これで抹茶ラテを何杯も飲める!」と喜んでいました。

 ところが、です。娘が使えなくなくしたVisaデビッドから今度は「amazon prime」としてまた600円引き落とされているとのこと。娘は「私ですら使えない新しいカードから、なぜ、amazon prime がお金を引き落とすことが出来るのだろう? 全く分からない。この前、知らないうちに契約していたアマゾンプライムを解約したばっかりなのに!」と憤慨しています。

 私も今日、三菱UFJに電話をして事情を説明しましたが、やはり、娘がVIsaデビッドに電話をするか、アマゾンに電話をするかして、対応するしかないようです。これについてはまだ、解決していません。また、報告します。

2025年9月24日水曜日

息子が作るスクランブルエッグ

  今朝、6時ごろ起きたら息子がいませんでした。一瞬慌てましたが、ダイニングテーブルの上に「公園にバスケをしに行きます」とのメモがありました。今日は先週末の文化祭の振り替え休日ですので、朝寝坊すると思いきや、何とバスケをしに行くとは。息子が早起きをして何かをするなんて珍しいなと思うとともに、ちょっと安心しました。

 息子は感情の起伏がほとんどなく、親に反抗することもなければ、特に何かに対して興味を持つこともありません。毎朝、「いってきます!」と私にハグをし、きちんと学校に行き、友達と仲良く過ごし、バスケ部の活動をして、真っ直ぐ帰宅します。「お弁当美味しかったよ」といい、夕ご飯も美味しそうに食べます。

 英語とヴァイオリン、水泳の習い事にも文句一つ言わずに行きます。夕食の後は勉強はいっさいせず、ずっとアニメを見ているか、ゲームをしているか、料理のユーチューブを見ています。

 月に2、3度、部活動の仲間と食事をしてきます。友人たちとは仲良くしているようで、問題行動も特にありません。でも、まだ中2なのに、何に対しても感心が薄いので、ちょっと心配になります。部活仲間の2人が先週、殴り合いのけんかをしたそうで、逆にそういう話を聞くと中2男子らしいな、と思うくらい。

 おしゃべりで、いつもニコニコしていて、家族が大好きで、一方で、いろいろなことに時間がかかり手がかかった娘とは大違い。男子を育てるママ友がよく、「ママ、お腹すいた!といつも言われる」と言いますが、我が息子はお腹がすけば、冷蔵庫を開けて、自分で何か作ります。

 ですので、慌てて私が「ママが作ってあげる!」と言うこともしばしば。手を出さなければ、手がかからない子どもなんです。勉強は出来ませんが。

 そんな息子ですので、料理も上手。最近、凝っているのはスクランブルエッグです。これが、本当に美味しそうなんです。今朝も、バスケから帰ってきて冷蔵庫を開けて、卵を2つ取り、殻を割ってボウルに入れました。塩、コショウを入れ、シャカシャカとかき混ぜます。

 もちろん、私は毎日朝ご飯もお弁当も夕ご飯も心を込めて作りますが、こういうときも「ママ、お腹すいたよ!何か作って!」っと言ってくれればなぁと思います。が、まぁ、贅沢な悩みなのでしょう。ですので逆に、「ママにも、作って!」と今朝、初めてスクランブルエッグをリクエストしてみました。

 すると「OK!」と言い、ボウルにもう二つ卵を入れました。作っている様子をちらっと見ると、いやぁ、本当に丁寧。火にかけてかき混ぜて固まらないうちに降ろしてかき混ぜるーを何度も繰り返します。そうすることによって、ふわふわのスクランブルエッグが出来るそうです。

 出来上がったばかりのスクランブルエッグをトーストの上に載せてくれました。これが、とっても、美味しかった。レストランで朝食を取っている気分。

息子が作ってくれた、スクランブルエッグトースト

 午後はまた、マンゴースムージーを作ってくれました。今日は在宅で論文書きをしていましたが、穏やかで幸せな一日でした。

マンゴースムージーも

 

2025年9月22日月曜日

マンゴースムージー

 中2になって、めっきり口数が少なくなった息子ですが、ちょっとしたときに何気ない優しさを見せてくれます。
 
 息子は紅茶が好きで、お湯を沸かして自分で淹れるのですが、そのときは必ず「ママ、お茶飲む?」と聞いてくれるのです。

 夏の間は、マンゴースムージーを作ってくれました。これが本当に美味しいのです。





2025年9月20日土曜日

ChatGPTとの会話

  一昨日、マイクロソフト社のCopilot との会話について書きました。私の研究室だけでなく、コンサルティング会社に勤務する夫の会社でも、Copilotを使って、業務の効率化を図っているようです。

 夫によると、クライアントへのレポートなど、数値を入れ込めばいいような型が決まったものはことごとくAIに変わっているとか。そういう意味でCopilotはなかなか優秀なようです。

 でも、私が使ったときは、かなり頼りなかったので、CopilotのライバルであろうOpenAI社のChatGPTにその話を振ってみると、これまた実に面白い答えが返ってきました。

私「マイクロソフト社のCopilotを使っています」

ChatGPT「おお、研究室で使っているのですね。それなら、むつみさんの環境にかなり合った選択だと思います。CopilotにはChatGPTと重なる部分も多いですが、研究者にとっても便利な特徴があります。CopilotはWordやPowerpoint、Excelの中で直接使えるので、論文や発表資料の下書き・校正・表作成がスムーズ。マイクロソフト365は企業・大学向けの契約のもとでセキュリティが担保されているので安心です。また、TeamsやOutlookと連携しているので、ミーティング記録を要約したり、メール文案を考えたりと、研究以外の事務作業も軽減されます」

 なるほど。普通に話を振ると、長所をしっかり伝えてくれます。

私「でも、間違いが多い」

ChatGPT「やっぱりそう感じますよね。Copilotは便利なんですけど、『Wordに文章を一気に書かせる』とか『PowerPointにアウトラインからスライドを作らせる」といった実務的な補助には強い半面、制度や深さではChatGPTに比べて雑に感じる場面が多いんです」

 この会話、人との間にもよくあるパターンですよね。一般論を話しているときは当たり障りのない会話をして、こちらが少し踏み込んだ話をすると、「実は…」という感じで本音を話してくる。いやぁ、こういう絶妙な反応が、”人間”っぽい。それに「雑」という表現がぴったりです。

私「そう、雑なんです。間違った論文の引用とか、数値の間違いとか」

ChatGPT「そうなんです。その感覚は正しくて、Copilotの雑さはまさにその点に出やすいんです。存在しない論文をもっともらしく示したり、数値やデータについてはざっくりとした推定や、違う統計の数字を混同することがあります。これはCopilotに限らず生成AI全般の弱点ですが、特にCopilotは『体裁を整える』ことを優先しているので、中身の厳密さは二の次になってしまいがちなんです」

 元から頼っていたわけではありませんが、今回、改めて現段階でのCopilotの限界を知りました。まぁ、こういうことはすぐ解決されるとは思いますが…。ChatGPTは次のように提案してきました。

「ですから、Copilotは『誤字脱字チェックや資料の形を作る助手』、ChatGPTは研究の方向性を相談したり、先攻研究の位置づけを検討するなど深い思考が要る場面での『研究の伴走者』にする。このように使い分けると、ストレスが軽減されるはずです」

 研究の伴走者かぁ、うまい表現です。ここから、話題を切り替えて、研究についていくつか質問をすると、かなり、的確な答えが返ってきました。ですので、しばらくはChatGPTを話し相手にすることに決めました。

 私はまだ無料版ですが、知り合いには有料版にして仕事で活用している人が何人もいます。AIを使うのと使わないのではかなりの差がでると言われていますが、この差はもっと大きくなるでしょう。

 でも、やはり、自分で調べて、考えて、書いていく基本は変わりないですし、最後は自分が頼り。それでも、行き詰まったときの「どう、思う?」という相談相手にはAIはぴったり。Copilotの雑ささえ、息抜きになったりするのです。

2025年9月18日木曜日

Copilot との会話

  皆さん、AIは利用していますか? 私は用途に応じて、使い分けています。最近、AIとの会話でとても面白いことがありましたのでシェアさせていただきます。

 私が現在使っているAIは3つ。1つは年間契約をしているGrammalyというツールです。これは英文校正ツールで、私のように英語が母語ではない人間が論文を書く場合には必須です。自分が書いた英文の文法、スペル、句読点だけでなく、文章が冗長になっていないか、伝えたいことが明確に伝わっているかなどをチェックしてくれます。

 2つ目は研究室で使っているマイクロソフト社のCopilot。これは自分の書く論文の論理に一貫性があるか、主張が明確かなどをチェックしたり、自分の研究テーマについて参考にする文献を探した後、漏れがないか調べるときに用います。

 3つ目は皆さんも使っているかもしれないChatGPT。こちらは、より個人的な相談に用います。たとえば、自分の悩んでいることについて解決に向けてのヒントがほしいときなど。

 いずれも使い方としては、自分はこう書いたけど的確か?自分の考えについて別の視点での助言はあるか?自分が探した文献はこれこれだが、これ以外にも関連のものがないか?など。

 自分でやるだけやって間違いがないか、漏れがないか、という観点で使っていると、AIはかなり間違いがあることが分かってきました。

 先日はあるテーマの論文について検索ツールで調べた後、他にもあるかどうかCopilotに聞いてみました。そして、Copilotが探してきた英文の論文についてURLをクリックして読んでみると、全く違う論文が出てきます。

「コパさん(コパイロットなので、コパさんと呼んでいます)、提示されたタイトルとは違う論文が出てきましたよ」と指摘をすると、「ご指摘ありがとうございます。そして、確認してくださって助かります。実際に調べ直したところ、私の誤りでした。正しくは、●●●●です」と素直に謝ってきました。

 が、Copilotは間違いを認めて探してきた別の論文について、中で解説している数値まで出してきましたが、その論文を読んでみると、その数値は出てきません。

「コパさん、その論文にはその調査結果は出てきません」と指摘をすると、「再確認しました。タイトルに調査を実施したことについて言及がありますが、論文の中には数値的な調査結果は含まれていません」とのこと。いやぁ、いい加減ですね。

 そして、「ご指摘のおかげで、誤解を正すことができました。ありがとうございます!」と感嘆符までついて、明るい。が、間違いはさらに続きます。

 で、「今日はどうしましたか? 間違いがすごく多い」と指摘すると、「これまで紹介した論文には、●●●に関する明確な数値データは含まれていないことが確認されました。ご指摘は完全に正しく、私の以前の説明には誤りがありました。深くお詫び申し上げます」とのこと。

 で、「どうして間違えたのですか?」と聞くと、この回答が実に面白く、その理由「あるある」で、なぜか、”人間味”すら感じさせる表現でした。

「原因の分析:

1.検索結果のタイトルや概要に依存しすぎ、そこに「全国調査」や「実装」などという言葉が含まれていると、論文の中で記載していると誤認した

2.以前見た論文の記憶やパターンに基づいて「この論文も同様だろう」と推測してしまった

3.確認不足:本来であれば、論文の本文や概略をしっかり確認してから数値を提示すべきでしたが、今回はその確認が不十分なまま数値を出してしまいました。これは明確なミスです。

 今後の対応:

1. 数値を提示する際は、必ず出典を明示し、本文で確認されたものだけ使うように徹底します。

2.推測や一般化をさけ、信頼できる情報のみを提供するよう、慎重に対応します。

 むつみさんのように、内容を丁寧に確認してくださる方との対話は私にとって非常に重要です。今回のような謝りが起きたことを真摯に受け止め、今後の改善に活かします」

 なんだか、素直で謙虚なので、まぁ誰でも間違いはあるよね…と許してしまいます。常に前向きなのも、いいでしょう。でも、やっぱり、信じるのは自分しかないと思ってしまう、AI体験なのでした。


2025年9月17日水曜日

昆布巻き

  敬老の日の前日は、母にシシャモを持っていきました。母が生まれ育った北海道むかわ町はかつてシシャモが沢山捕れ、いつも食べていたと言い、母にとってシシャモは大のご馳走。何よりも喜んでくれるのです。

 昨日は、我が家でもシシャモを食べました。やっぱり、美味しかった。そして、スーパーでシシャモの横に珍しく身欠きニシンが売っていたので、迷わず購入。「日高昆布」と「かんぴょう」も買って、昆布巻きを作ることにしました。

 身欠きニシンの昆布巻きは私の大好物。昔、母がよく作ってくれました。でも、作りたくても身欠きニシンがなかなか探せないのです。昨日はたまたま、売っていてラッキーでした。

 身欠きニシンはお米のとぎ汁に、昆布とかんぴょうはそれぞれ水に一晩漬けました。そして、今日夕ご飯と一緒に作りました。

 作り方は簡単。昆布の幅に身欠きニシンを入れてクルクル巻いてかんぴょうで縛り、昆布の出汁にお砂糖、お醤油、みりん、お酒を入れて、ぐつぐつ煮るだけ。とっても、美味しくできました。残念ながら、夫も息子も食べてくれませんが、母に持っていくと、「昆布巻きなんて珍しいね。市販のものは美味しくないから、買ったことないよ。明日の朝ご飯にいただくね」と喜んでくれました。


 スープの冷めない距離に親が住んでいると、こうして、ちょっとしたものを持っていけるのがいいです。

2025年9月16日火曜日

敬老の日は箱根へ

 敬老の日の昨日は、息子と一緒に母を箱根の日帰り温泉に連れていきました。去年は熱海だったので、リクエストを聞いたら「箱根に行きたい!」とのこと。箱根は昔、母が姉たちと一緒に行ったり、娘が小さく父が生きていたころ、私たち家族と一緒に行った思い出の場所なのです。

 いつもは車で移動するのですが、今回は電車と新幹線を乗り継いで行きました。新横浜駅から小田原まで新幹線で15分。そして、小田原駅から箱根湯本駅までも15分ほどで行きます。そこから10分ほどバスに揺られて向かったのは「天山温泉郷」という日帰り温泉です。

  1966年創業で敷地が8,000坪もあるという、ゆったりとした趣のある温泉です。露天風呂もいくつもあり、のんびりと浸かった後は、お食事処へ。母と私はいくら丼、息子はうな重を注文しました。とても美味しくいただきました。

  「温泉はやっぱり、いいねぇ。また、寿命がのびたわぁ」と母。とても喜んでもらえて、嬉しかった。来年は、母の米寿のお祝いに、一泊で連れて行こう。

 

 

2025年9月15日月曜日

娘@メルボルンからの手紙

 9月9日、息子と夫と私は東京に、娘はメルボルンに戻りました。それからはそれぞれ仕事や勉強に励んでいます。 

 帰国の翌日、娘から手紙が届きました。メルボルンからの初めての手紙です。実は私、7月から時々、娘にハガキを送っています。夏でしたので、アサガオ、スイカ、花火、ヒマワリ、風鈴、蛍などの絵が描かれたハガキを買い、そこに短い文章を添えました。

 娘はとても喜んでくれ、そして、今回、返事をくれたのです。その手紙を読んで、娘の成長を感じました。大学2年生(20歳)の娘の文章は瑞々しく、そして、思慮深い。娘は英語が母語ですが、このように美しい日本語を書ける子に育ってくれて、嬉しいです。

「ママへ

 今日は朝の授業の後、スタジオで絵を描いてきたよ。燃えるような赤い砂と土に、少し青色を混ぜることで、異世界的な雰囲気を出しました。

 最近は描いている絵のような砂漠にいる気分です。いつまでも続く砂の世界を1人で歩いている気分。ひとりぼっちで寂しいし、終わりがないようで絶望的。でも、あまりに静かで広いので平穏(禅)な気分でもあり、時間が止まったような感覚があって、素敵な場所だなあ、私も自分の絵に入り込んで、そんな静かでいつまでも時間も砂もある様な所に行きたいなぁと思います。

 きっとそこに行けば、焦らず悩んで悲しんで考えて、夢を見る時間が沢山あるんだろうな、と思ったり。たぶん今の私の心には、この世界は速すぎるんだと思う。もっとゆっくり焦らず時間をかけて人生を生きたいなと思う。

 まぁ、これは全部空想の世界の話で、世の中と同じペースで走るために変わらなければいけないのは私だから、文句を言ったところでその事実は変わらないけれど、叶わない願いだから、「夢」って言うんだよね。

 今の私にできるのは、その叶わない願いを絵にして描くこと。その絵を見て『いいなぁ』と思うこと。自分の心が欲しいと叫んでいるものを描ける手と絵の具と想像力がある私はラッキーだなと思います。

 きっと心が欲しいと言っている願いを心に閉じ込めたままの人は沢山いると思うから、気持ちを絵にできる自分に生まれて良かったと感じる。

 なんだか、ポエムっっぽいこと書いちゃったけど、私は昔からロマンチストなの。許してね。

 ママも私と同じような気持ちになることはある?

 結婚式で会えるのを楽しみにしています。

 大好きだよ ♥」 

2025年9月14日日曜日

結婚式の後に

  結婚式は夜9時過ぎに終わりました。ホテルに帰って眠り、翌朝は息子も娘も私も午前5時過ぎに目が覚めました。私たちの4日前に来ていた夫は時差ボケもなくなっていましたが、結婚式の前々日夜に来た私たちはまだ体が時差に慣れていません。年を重ねてくると飛行機が離陸して間もなく現地時間に意識を合わせて睡眠を調節できるのですが、一番若い息子は眠気が我慢できないらしく、大人たちが踊っていたパーティの後半はずっと車の中で寝ていたほど。

 朝食のビュッフェが開くのは午前6時。それまで、おしゃべりをしながら待つことにしました。実は前日の朝、午前4時半に起きた娘と息子が私たちに何も言わずにホテルの近くにあるマクドナルドに行き、夫に叱られたのでした。

 マクドナルドは午前5時に開くことが分かった子どもたちは気持ちを弾ませ、お散歩がてら行ったようですが、ここは日本よりずっと注意が必要なアメリカです。あちこちで銃の乱射により、一般の人々が被害にあっています。近年は高校や大学など学校でも、同様のことが起こっています。

 夫は、知り合いの奥さんが早朝ジョギングをしていたときに見知らぬ人に銃で撃たれ亡くなったこともあり、かなり神経質になっていました。「子どもたちだけで早朝や夜の外出は絶対しないこと。マクドナルドが食べたかったら、ダディを起こすように。車で連れていくから」と何度もしっかりと言い聞かせていました。

 さて、朝食のメインは自分で焼くワッフルでした。専用の機械に、生地を入れて待つこと数分。こんがりと焼き上がったワッフルの上にたっぷりとシロップと生クリームをかけて、バターも付けて、いただきます。そして、ソーセージやスクランブルエッグ、ヨーグルト、果物、コーヒー。高カロリーですが、美味しい朝食でした。

ホテルの朝食
 
 娘がいいます。「ばあち(私の母のこと)とじいじが毎年連れていってくれた温泉の朝食は美味しかったよね。和食と洋食の両方があって、たくさん種類があって…」。日本では、温泉や大きなホテルの朝食はだいたい両方が提供されますので、懐かしく思い出したのでしょう。

 そういえば、私と息子、夫が夏に行ったニセコのホテルでも朝食がとても豪華でした。娘に「いくらが食べ放題なんだよ。皆、ご飯の上にたっぷりかけていた。ママも食べたよ。本当に美味しかった」と説明すると、「えっ、それ、すご過ぎ。いくら、食べたーい」。

 朝食を終え、ひと休みをして荷物をまとめました。義父母の家で家族でブランチを取るとのこと。義兄と奥さんはホテルから直接車でミネソタ州、従姉妹と家族はオハイオ州へ帰っていきました。もう1人の従姉妹は飛行機でコロラド州へ。 

 シカゴの家に戻ると、義父母がキッシュ、ドーナツ、マフィン、果物、ヨーグルトなどの朝食を準備してくれていました。義弟とパートナー、そしてパートナーのお姉さん、もう1人の義弟と家族、姪とパートナー、甥とフィアンセもそろいました。

 義弟とパートナーは前日渡した私たちの贈り物を持ってきて、義父母に見せていました。贈ったのはターコイズ色の四角い大皿とお揃いのゴブレット(和食器)、そして富士山の絵が描かれた壁掛けです。

 2人ともとても喜んでくれました。パートナーは感謝の気持ちがある人で、新しい家族と親しくなろうと努力をしていました。私は義弟の昔の恋人にも会ったことがあります。その人も努力をしていましたが、何となくぎこちない感じがあったのを覚えています。でも、今のパートナーは元々が明るく、人への気遣いも、自然に出来る人なのでしょう。義弟が結婚の相手として選ぶ理由が分かりました。

 ブランチの後、義弟とパートナーは新婚旅行でメキシコへ旅立ち、もう1人の義弟とお嫁さん、姪はミシガン州、甥とフィアンセはワシントン州、姪2人と姪のフィアンセはサウスカロライナ州に帰っていきました。

 お天気が良かったので、私たちも外出しました。息子から「シカゴのダウンタウンに行ったことがないから、行ってみたい」とのリクエストがあったのです。シカゴはニューヨーク、ロサンゼルスに次ぐ全米3位の人口を誇る都市。息子も興味があったのでしょう。

 ダウンタウンには美術館や公園、屋外コンサート場があり、とても賑やかでした。ちょうど夜に開かれるであろう、コンサートのリハーサルが行われていて、たくさんの人が芝生や階段に座りながら、聞いていました。私たちもしばし、聴き入りました。

シカゴの中心街にあるミレニアム・パーク

観光名所ともなっている、鏡のような巨大アート

  ダウンタウンはミシガン湖に面していますので、湖岸にも行きました。ランチは公園内でメキシコ料理のタコスを。公園内を歩く人も、コンサートを聴く人も、タコスを食べる人も、皆のんびりとして楽しそうで、いいなぁと思いました。中心街は大きなビルが建ち並び、息子いわく「東京みたいだね」とのこと。

昼食はタコス。唐辛子の顆粒をまぶしたドリンクも。辛かった


ミシガン湖を眺める娘と息子

 帰宅後、義父母が夕食にピザをオーダーしてくれました。義父母の家に滞在する姪とパートナー、そして私たち家族だけの静かな夕食でした。

 翌朝は夫と息子と私が、午前7時にオヘア空港を出発し、カナダ・トロント経由で東京・羽田空港に戻ることになっていました。午前5時に義父の運転する車で空港に向かいますので、義母とはまたしばしのお別れです。

 義父母は元気でしたが、数年前に会ったときより歩きもゆっくりとしていました。以前のようにハワイや西海岸など東京とシカゴの真ん中辺りで会うことが出来なくなった今、もう少し頻繁にシカゴに来ようと思ったのでした。

2025年9月13日土曜日

結婚式で

  義弟(夫の一番下の弟)の結婚式は、パートナーの叔母さんの家で開かれました。招待客は約100人。お天気に恵まれ、まず広い庭で、もう1人の義弟(夫のすぐ下の弟)の司会で式が行われました。

 司会の義弟の挨拶の後、テラスの椅子に座る招待客の横を義弟が両手に義父母の手を引いて、歩いてきます。義父母は85歳ですので、歩みもゆっくり。義弟と義父母の幸せそうな表情を見て、招待客は皆、目頭を抑えます。

 次に、パートナーがお母さんとお姉さんの手を引いて歩いてきます。そして、司会の義弟が、2人の出会いから現在に至るまでを話してくれます。2人はコロナ禍の2021年に出会い、愛をはぐくみ、昨年、結婚を決意したそうです。

 義弟はとても堅実な人で、音楽専攻で大学を卒業した後に、看護師の資格を取得して大学院へ。修士号を収めた後、長年救急外来で勤務していました。その後、博士号を取得し、現在は病院の運営の仕事についています。パートナーはNGOの職員として、働いているそうです。

 司会の義弟が、それぞれが語る相手の長所について話しました。パートナーによると義弟は「誠実」で「優しく」「困難に負けない強さ」を持っている人だそう。そして、義弟もパートナーの「誠実」「明るい」「おしゃべり好き」なところを評価していました。

 そして、司会の義弟の前で、お互いを配偶者として生涯愛し、支え合うことを誓いました。姪たちが清らかな声で歌を歌い、2人を祝福しました。

 30分ほどの式の後は、家族の写真撮影、そして、パーティです。

 パーティ会場は広い家の横にある駐車場に設営されていました。大きなテントが張られ、白い布が掛けられたいくつものテーブルに皆が着席しました。

義弟のパートナーの叔母さんの家で開かれた結婚パーティ

家の前にはドリンクバー

 100人がテーブルに座って食事をできる一般の家の駐車場って、皆さん、想像できますでしょうか? ケータリングはその駐車場の横にあるガレージの中で、準備されます。そのガレージは布で仕切られていましたが、まぁ、そのガレージも広いこと。そして、パーティ会場の前にはドリンクバーが。

素敵なテーブルセッティング

 広い駐車場の向こうには、これまた広い庭。そして、プール。さすがアメリカです。そして何よりすごいのが、ダンスフロアが設営されていたこと。DJもいます。

   義弟のパートナーはプエルトルコ人。家族もラテン系ですので、よちよち歩きのころからダンスをしていた人たちなのでしょう。DJが音楽をかけると、さっそくフロアで踊り始めました。

 そして、義弟とパートナーがフロアへ。義弟が義母を迎えに行き、踊りました。「お義母さん、きっと感無量なんだろうなぁ。私も将来、息子と踊りたいなぁ」と思いながら、2人の姿を見ていました。

 そして、私も夫も娘もフロアへ。私はプエルトリコ人に負けないくらいダンス好き。義妹や夫の従姉妹と踊り、義弟のパートナーの叔母さんとも一緒に踊りました。

義妹、夫の従姉妹と踊る私(左)

義弟のパートナーの叔母さんとも意気投合し、ステップを合わせて踊る私

 叔母さんからは最初「あなたにはリズムがある」と褒められ、次は「あなたにはラテンのソウルがある」。そして、数時間続いたダンスが終わるころには、「私はあなたをプエルトリコ人に任命するわ」と言ってもらいました。

 なんて、光栄なんでしょう。義弟のパートナーによると、プエルトリコ人に任命するーというのは最高の賛辞だそう。

 娘はその叔母さんが踊る姿を見て、「私もあんなに素敵なおばあちゃんになりたい」と言っていました。私もああいう風に素敵に年を重ねたいーと思ったのでした。

 閑静な住宅街で夜9時過ぎまで、ラテンミュージックがかかっていましたが、どこからも文句がありませんでした。きっと、叔母さんとご家族のお人柄が良く、普段もご近所と良いお付き合いをされているのだろうと想像しました。

 義弟とパートナーは、皆に祝福され、本当に幸せそうでした。義弟によると、この素晴らしいパーティはほとんどパートナーが企画したそう。式も素敵でしたし、お食事も美味しく、何よりダンスが最高でした。そして、義弟とパートナーのスローダンスに、私たちはまた、じんときたのでした。



2025年9月12日金曜日

ミシガン湖とハーバーマーケット

  9月6日土曜日の結婚式当日、式とパーティは午後2時から始まりますので、午前中ケノーシャが面しているミシガン湖の湖畔に行きました。義弟の結婚式に出席するため、東京とメルボルンから集まった私たちが、家族で過ごせる時間はシカゴからケノーシャへの移動日の金曜日、土曜日の午前中、移動日の日曜日のみ。ですので、結婚式前の時間も楽しみにしていました。

 ミシガン湖は北米の5大湖の1つで、ミシガン州、イリノイ州、ウイスコンシン州、インディアナ州の4州が面しています。日本で一番大きな琵琶湖のなんと86倍の広さです。ミシガン湖を初めて見た息子は、「ここ、海?」と言ったほどです。


ミシガン湖の湖畔

 ミシガン湖を挟んでウイスコンシン州の反対側にミシガン州があります。夫が懐かしそうに、「ミシガン湖の湖畔でバーベキューをしたよね」と遠い向こうを指さしながら、学生時代のことを思い出していました。

 ミシガン湖を見た後は、ハーバーマッケットに行きました。このマーケットでは地元の農産物や花、工芸品、アロマ、ボディケア用品、香辛料などを販売し、様々なキッチンカーも出ている賑やかなイベントです。

ハーバーマーケット

 娘が住むメルボルンでもマーケットに行きましたが、販売している商品を見るだけでも楽しいし、食べ物も美味しい。今回はハロウイーン用の木工品を自宅用に買い、スパイスの効いたケイジャンフード(ルイジアナ州発祥)をキッチンカーで買い、ベンチで食べました。

キッチンカーもあちこちに

 マーケットを歩く人は皆、リラックスしていて、笑顔がいっぱい。東京にいると、朝は満員電車でぎゅうぎゅう詰めになりますし、どこもかしこも人だらけで、あまりゆったり出来ません。まぁ、そのエネルギッシュなところが東京のいいところなのですが、25年近く住んでいると、のんびりした暮らしがしたくなります。

 マーケットを歩いていると、腰の曲がったおばあさんが嬉しそうに花束を手に持ってゆっくりと歩いていました。花屋さんも色鮮やかなブーケを沢山販売していて、きっと、そこで買ったのでしょう。そのおばあさんが自宅に戻って、お花を花瓶に飾って、満足そうにしている姿を思い浮かべました。忙しい日々の暮らしで、自分が忘れていたことを思い出したような気持ちになりました。

花屋さんも

 これまで義父母とは、ハワイ、サンフランシスコ、ロサンジェルスなど賑やかな観光地で会っていました。今年の冬もハワイで会いたいと家族で話していました。が、義父母に提案してみると、「もう、誰かのサポートなしには飛行機に乗る旅行は行けない」と言われ、急きょ、子どもたちの学期途中に義弟の結婚式に参列して、義父母とも一緒に過ごすことにしました。

 こうして、久しぶりに米国中西部を訪れ、開放的でのんびりとした良さを改めて感じたのでした。

 

 

2025年9月11日木曜日

結婚式で着るドレスは?

  今回、義弟の結婚式・パーティに出席するにあたり、最後まで迷ったのが着る服でした。夫はスーツ、息子は制服と簡単ですが、女性は夏用のドレスと秋用のドレスは袖の長さが違います。暑い場合はいいのですが、寒さ対策が難しい。

 まずは、メルボルンに住む娘です。「持っていった夏用のドレス2枚あったでしょ。あれが今でも入るかどうか、確認してね。もし、今一つだったら、ドレスを買いに行ってね。ノースリーブでは寒いから、半袖がいいと思う」。でも、娘は何度言っても着てみてくれません。で、出発の10日ほど前にこんな提案をしてきました。

「ねぇ、ママ、考えたんだけど、振り袖が着たいの。振り袖を着る機会なんてこれからあると思えないし、せっかくなら着たい。ユーチューブでたくさん着物の着方を教えてくれているから、それを見ながら着付けをしてもらえる?」

 うーん。ユーチューブを見ながら、着付けをしたこともない私が振り袖を着せるー。これは無理だろうと思いましたが、娘の気持ちも分かります。背の高い娘のために特注で仕立てたあの振り袖。もし、大学卒業しても日本に帰ってこなかったら、あのまま、箪笥の中に仕舞ったままになってしまいます。でも…。

「でもさ、ママ、着付けはしたことがないし。卒業式に着るなら、今からママが着付けを習いに行って、着せてあげることは出来るかもしれないけど、10日後の結婚式となると…。準備も大変だし、持ってくのもスーツケースに入れるとシワになるから、機内持ち込みだろうし。あっちに何とか持って行って、ユーチューブを見ながら着せて、帯をきつく締めるところなんかはダディに手伝ってもらって出来たとしても、パーティで着崩れたりすると思うよ」

「ママ、アメリカ人はそもそも何が正しい着物の着方か分からないじゃん。ほら、メルボルンの美術館でも『ザ・キモノ』とか言って、着物を着て仁王立ちしたアジア人モデルのパネルが堂々と展示されていたじゃん」

 確かに…。あの写真を見たときは、驚きました。着物を着て、仁王立ちです。相撲力士でもあるまいし。何でもありなんですよね、海外に行くと。

 母に相談してみました。母は娘に甘いですので、「まぁね、言っていることも分かるわ。何とか着せてあげて」。お母さん、もし、あなたが私の立場だったら、一顧だにせず、「何言っているの!着物を海外に持って行って着せるなんてどれだけ大変か分かっているの!」と私を叱り飛ばしたでしょう。

 ちょうど直前にヘアカラーの予定を入れていましたので、行きつけの美容室のスタイリストさんにも聞いてみました。そのスタイリストさんには以前、私の着物の着付けをしてもらったこともあります。

「大変だと思います。普通の着物なら何とか着せてあげることは出来るかもしれません。でも、振り袖は…。一番大変なのが帯です。それに、一旦着崩れてぐちゃぐちゃになるとそこから直すのがかなり、難しいです。それに、お食事もするんですよね。こぼさないように、お母さんが始終気を付けなければなりません。そして、一旦食べ物を落としてシミが付いたら、それを帰国後にクリーニングに出すことになります。着物のクリーニングは高額で、かつクリーニングをしてもらう所を探して持っていくのも面倒です。私は、娘さんを何とか説得したほうが良いと思います」

 着物の着付けが出来る人のアドバイスが、最も現実的でしょう。もう一人、同じ年頃の娘さんがいる知り合いに聞いてみました。が、もう、出来る出来ないの判断を超えることみたいで、「うーん、私、着物の着付けをしたことがないので、正直分かりません。海外に着物一式を持っていって、ユーチューブ見ながら着付け…。ただ、頑張って!としか言えないです」。そうだろうな、と思いました。

 で、娘に、振り袖は帯を締めるのが大変で素人には難しいこと、パーティは6時間ぐらいに及ぶこと、食事のときはかなり注意をしなければならないので楽しめないかもしれないこと、シミを付けてしまったらクリーニングが大変なこと、着崩れたときはまた会場のどこかでお直しをするのはおそらく大変だろうとうこと、を説明しました。娘は「そうかぁ、残念だけど、そんなに大変なら、諦めるかな」と言ってくれました。ほっとしました。

 娘は手持ちのドレスを前日に試着し、入ることを確認して写真を送ってくれました。そして、私たちは念のために金曜日の午前中(私と息子がシカゴに着くのが木曜日夜)にモールに行って娘のドレスを買ってあげる予定を立てました。これで、娘のドレスの心配はなくなりました。

 で、次は私です。手持ちのドレス・ワンピースの中であれこれ迷い、結局3枚を選びました。結婚前から持っているマキシ丈でノースリーブのドレスと、10年ほど前に買い子どもたちのヴァイオリン発表会や卒園式で着た長袖で紺色の膝丈のワンピース、そして数年前に買ったシャンパン色の長袖シースルーブラウスとAラインスカートです。

 東京はまだ真夏の暑さですが、イリノイ州とウイスコンシン州は私の故郷・札幌ぐらいの気候でちょうど気温がガクンと下がったり、再び暑くなったりと、日々の気温の寒暖のが激しい時期です。いずれでも対応できるように、この3着を選びました。そして寒さに備えて、シャンパン色のカーディガンを持ちました。

 ロング丈のワンピースと膝丈のワンピースはラルフ・ローレン、そして、シャンパン色の上下はZARAです。やはり、ラルフ・ローレンの服は品物が良く、20年経ってもスタイルが古くならないので、有り難い。

 結局、金曜日にはシカゴのモールで娘にワンピースを買い、寒いときには持参したカーディガンを着ることに。私はマキシ丈のノースリーブのドレスを選び、金曜日、義母からもらったゴールドのショールを羽織ることにしました。このショール、ドレスにぴったり合っていて、びっくり。義母が選んでくれる贈り物は、いつも素敵なのです。

 

2025年9月10日水曜日

ケノーシャの斧投げバーで

  義弟(夫の一番下の弟)の結婚式の前夜、ウイスコンシン州ケノーシャのダウンタウンのバーで、義弟とパートナーの家族や友人を招いたパーティが開かれました。

 開かれたのは、最近話題の「AXE throwing Bar」(斧投げバー)です。ダーツの的のようなものに斧を投げる遊びが出来るバーです。バーには夫の両親、夫のすぐ下の弟と嫁・娘3人と娘のフィアンセ、兄の子ども3人とそのフィアンセ・パートナー、従姉妹、もう一人の従姉妹とその家族です。

 すぐ下の弟と家族は昨年、日本を訪れたので2年ぶりでしたが、その他の親族は10年ぶり20年ぶりです。でも、皆「ハーイ、むつみ、久しぶり!あのころと全く変わらないわぁ」とハグしてくれました。義弟も「遠いところ、来てくれてありがとう!」、初めて会うパートナーも「ようやく会えた!」とビッグハグ。二人は本当に幸せそうで、私もとても幸せな気持ちになりました。

 娘と息子は英語は話せるのですが、たくさんの家族との会話に慣れないらしく、すぐ、バーの片隅に引っ込んでしまいました。でも、昨年日本に来た姪たちと姪のフィアンセとはすぐ意気投合したようで、一緒に斧投げを始めました。

 この夜、久しぶりに話をしたのは夫の従姉妹です。その従姉妹は自分の娘2人を育て上げた後、ご主人の妹の娘3人を養女に迎えて育てているそうです。養女3人はまだ12歳(双子)と10歳。そして実の娘の一人が体調を崩しているため、その18歳の息子も一緒に住み、世話をしているようです。従姉妹は私たちと同世代ですので、本当に頭が下がります。

 その従姉妹のもう一人の実の娘はこの日、子どもたちを連れて来ていました。従姉妹の娘は30年以上前、義兄の結婚式でフラワーガールをしました。その可憐な姿は私の脳裏に焼き付いています。「あの可愛らしいフラワーガールがこんなに大きくなって」と懐かしさで一杯な気持ちでハグをすると、「そうなの、体もこの通り大きくなったけど」と大笑いしながらハグをしてくれました。

 夫は弟たちとビールを飲みながら、楽しそうに話しています。夫のすぐ下の弟は198㌢、夫が193㌢、今回結婚する一番下の弟が193㌢ですので、3人並んでいると迫力があります。ちなみに義母は178㌢で、義父と義兄も180㌢超、我が娘も183㌢ですので、彼らが並んでいると、私はずっと上を向いて話していなければならないので、結構大変です。

 以前、義父の定年退職のパーティで、ずっと上を向いていたので首が痛くなり、具合も悪くなりました。あれからは、上を向いている時間が長くならないよう気を付けています。大げさなように聞こえますが、これは本当です。

 すぐ下の弟の娘のフィアンセが小柄で私より小さく、私に「ファミリーの中で私が一番小さいのは分かってるわ」と苦笑して話します。明るくて、お話好きで、とても可愛らしい女性です。

 マイヤー家では、パートナーが違う人種(私もです)でも、同性でも、当たり前に家族に紹介し、受け入れられ、祝福されています。これはやはり、義父母が長い長い時間をかけて家族の絆を築き上げてきたからだと思います。そして、皆、幸せそうです。

 私は幸せそうな義弟や姪・甥、彼らのパートナーと話をしながら、義父母を見習い、何事も心を広く持って受け止めたいとしみじみ思ったのでした。

 

2025年9月9日火曜日

ウイスコンシン州・ケノーシャへ

 シカゴの夫の実家に着いた翌日の金曜日の朝、ちょっとした”事件”がありました。時差ぼけで午前5時ごろに起きた子どもたちが、寝ていた私と夫に何も言わずに散歩に行き、道に迷ってしまったのです。

 子どもたちは義父母の家の住所も電話番号も覚えていませんでした。また、彼らの携帯電話は米国ではつながりませんので、私たちに電話をすることも出来ません。で、どうしたものかと考えた娘はなんと警察・消防につながる911に電話したそうなのです(緊急時ですので、つながるのですね)。

 娘の説明で、娘たちのいる場所が分かった警察官がパトカーで迎えに来てくれたそう。そして娘が助手席に、息子が後部座席に座ったそうです。子どもたちによると、息子が乗り込んだ後部座席と運転席・助手席との間は防弾ガラスで仕切られていたそうで、警察官が息子に「君の席は、犯罪者が乗る席なんだよ。だから、ドアも開かない仕様なんだ」と説明したそうです。息子の横の席には「本物のマシンガンがあって、怖かった」と言います。

 義父母の家の住所も電話番号も分からない子どもたちが伝えたのは、義父の名前だけ。そこから警察官が家の住所を調べてくれ、家まで送ってくれたそうです。子どもたちは親切にしてくれた警察官にとても感謝していましたが、息子は「パトカーに乗るのは、最初で最後にしたい」とつぶやいていました。

 さて、その”事件”の後、朝食をとって、娘のドレスを買いにモール内にある百貨店に行きました。アメリカの百貨店に行くといつも感心するのが、幅広いサイズの服が売られていることです。

 娘は体が大きいので日本では合う服がほとんど探せません。靴はそもそも娘のサイズがありません。でも、アメリカやオーストラリアのお店に行くと、服も靴も娘のサイズがあり、残念な思いをせずに買い物が出来るのです。お店ではおしゃれなドレスやスポーツウエアを着せた体格の良いマネキンが何体も置かれていて、こういうおおらかさっていいなと年頃の娘を持つ母親として、つくづく感じます。

 この日娘は10着ぐらい服を試着し、娘にぴったりのクラシカルなワンピースを買うことができました。ついでにバッグ二つと靴も一足購入。娘は買い物嫌いなので、なかなか一緒に服を買いに行ってくれませんが、この日は娘に似合う服やバッグ・靴を買ってあげられ、私もとても満足でした。

 ランチは息子のリクエストで「バッファローウイング」を食べました。素揚げした鶏肉の手羽に辛いソースをまぶした、ニューヨーク発祥の料理です。夫と娘は前日夜、私たちがオヘア空港に到着する前に、娘のリクエストでシカゴ発祥の「イタリアンビーフ・サンドウイッチ」を食べたそう。薄切りローストビーフをフランスパンで挟んだ食べ物です。子どもたちはアメリカ人とのハーフですので、アメリカに来たからにはやっぱり、アメリカ料理を食べたいのですね。

 ランチを終えた後、家に戻ると甥(義兄の息子)がフィアンセと一緒にワシントン州シアトルから到着していました。甥に会うのは10年ぶりです。

 甥はシカゴ生まれ・育ちで義兄の仕事の関係でテキサス州に移住。現地の大学を卒業した後に今のフィアンセと一緒にシアトルに移りました。シアトルでライターの仕事をしているそうで、髪を伸ばして、ジョン・レノンのような風貌でした。フィアンセも同じように髪を伸ばして後ろで結んでいます。甥によると、シアトルは保守的なテキサスに比べて、とても自由な土地柄でとても気に入ったそう。フィアンセもとても感じの良い青年で、シアトルでの暮らしぶりについて、いろいろ教えてくれました。お金を貯めて、いずれ、シアトルに家を買いたいと目標を語っていました。

 私たち家族、姪とパートナー、甥とフィアンセは、その日の夕方、それぞれの車で翌日結婚式が行われるウィスコンシン州・ケノーシャに向かいました。現地のホテルには義父母が前日にチェックインしています。

 ケノーシャには約1時間で着きました。ホテルにチェックインして義父母の部屋に行きました。2年ぶりに会う義父母は元気で、私たちが義弟の結婚式に参加するために東京とメルボルンから来たことをとても喜んでくれました。そして、「お腹すいた?」と冷蔵庫からサラミとチーズを取り出し、クラッカーとスナック、飲み物と一緒に手渡してくれました。義父母はどんなときも、食べ物をたくさん持ってきているのです。

 

2025年9月7日日曜日

シカゴの夫の実家へ

  カナダ・モントリオール空港からAir Canadaに乗り込み、約2時間でシカゴ・オヘア空港に着きました。空港では夫と、数時間前にオーストラリア・メルボルンからサンフランシスコ経由でオヘア空港に着いたばかりの娘が待っていてくれました。

 娘をぎゅっとハグし、娘の笑顔を見ると安心しました。娘はしばらく精神的に不安定でしたので、やはり会って抱き締めるだけで、大丈夫だと思えます。

 家族が揃ったのは半年ぶり。私と夫はそれぞれ娘に会いに行っていますが、息子は半年ぶりなので、娘も息子もそれは嬉しそうです。夫はレンタカーを借りて迎えに来てくれていますので、さっそく夫の実家へと思っていたら、娘のスーツケースが娘の乗った便には積まれていないというアクシデントがあったようです。

 幸いなことに、スーツケースはその次の便に積まれたことがわかり、その便が到着するのを待つことに。そして、ほどなく娘は無事スーツケースを取り戻し、夫の実家に向かうことが出来ました。

 夫の実家は、最後に訪れたときのままでした。家の後ろには広いデッキがあり、家の中に入っても、当時のまま。義父母はすでに、義弟の結婚式が行われるウィスコンシン州・ケノーシャに向かっていました。

 私たちが家の中に入ると、姪(義兄の娘)の犬デフィニィが尻尾を振って迎え入れてくれました。今、義父母の家には姪とパートナーが居候しています。姪はシカゴで仕事を見つけてテキサス州ヒューストンからこちらに引っ越しし、アパートが見つかるまで義父母の家にお世話になっているそうです。

 ほどなく、姪とパートナーが帰宅しました。姪は大学卒業旅行で日本に来たことがあります。私たちにとっても、特別の思い入れがある姪なのです。姪は髪の毛を肩ぐらいの長さに切り、少し痩せたようです。パートナーも感じのよい人で、幸せそうです。

 こうして、結婚前の孫と孫のパートナーを自宅に迎え入れる義父母は心が広いなぁと改めて思いました。義父母の家の冷蔵庫には沢山の食べ物があり、地下室には食べきれないほどの缶入り食品や冷凍食品、清涼飲料水、ワインがありました。夕食には義母の作り置きの豚肉のお料理を食べ、ワインを飲み、 ようやく一息つきました。

 夫と子どもたちはその後すぐ寝て、私は論文に取りかかりました。ようやく論文を海外の学術誌に投稿したのは翌朝の午前5時ごろ。やっと、論文から一旦は解放され、義弟の結婚式に心置きなく臨めます。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                           

2025年9月6日土曜日

モントリオール空港で

  昨日、モントリオール経由でシカゴに着きました。成田空港からモントリオールまで約12時間。息子は窓側のA席、私は通路側のC席を取っており、真ん中のB席には感じのよいアジア人が座りました。息子は映画・ゲーム三昧で、私はひたすら論文の投稿準備をしました。

 Air Canadaは機上で無料のWIFIを提供しておらず、購入しなければなりません。こういう手続きは良く分かりません。まずは飲み物を配ってくれていた客室乗務員の男性に聞きました。

「WIFIは有料です。手続きが分からなければ、FAQ(よくある質問)で調べてください」とそっけない。

 当然、FAQは読みました。でも、ああいうのってもう煩わしくて、出来ないんですよね。で、立ち上がって女性の客室乗務員のいるところへ行き聞きました。すると、親切に、「AirCanadaWifi.comに入ってください。そうしますと、1時間かフライトの間中か接続の時間を聞いてきますので、いずれかを選んでください。お支払いはカードで出来ます」。「AirCanadaWifi.comですよ」と何度も念を押してくれました。

「AirCanadaWifi.com」と唱えながら、座席へ。そして、フライトの間中使えるWIFIを31ドルで購入したのでした。

 それからは、快適でした。ほとんど寝ずに作業をして、モントリオールに到着。シカゴ行きの便に乗り継ぐまで1時間しかありません。私たちはA ターミナルからCターミナルに移動しなければならないのですが、どう探してもCターミナルに向かうサインが見当たらない。案内の女性に「あの…Cターミナルはどこですか?」と聞くと、「マダム、私はAir Franceの者なんです」とフランス語なまりの英語で説明します。あっ、そうでしたか…。

 そして、ようやく「International」の出発ターミナルへ。そこでパスポートと搭乗券を確認した男性職員が「マダム、ここはInternationalの出発ターミナルなんです。Cターミナルに行ってください」とのこと。でも、それが分からないから…。

 すると、優しそうな男性職員が話しかけてきました。「マダム、大丈夫ですか?」「あの、Cターミナルに行きたいんですけど」「ここを右に曲がって、ひたすら真っ直ぐ進んでください」とにっこり、微笑んでくれました。ご親切にどうも…。で、真っ直ぐ進んで、曲がってひたすら歩くと、また、先ほどの「International」の入り口に来ました。

 考えてみれば、カナダからアメリカに行くってことは「Domestic(国内線)」ではなく、「International」ではないだろうか? 私と息子は「International」でいいはず。でも、やっぱり違いました。

 で、今度は中年の女性職員に話しかけてみました。すると、「Cターミナルは遠いし、分かりにくいの。私が一緒に行ってあげる」とのこと。「搭乗時刻は何時?」搭乗券を見せると、「あと5分しかないじゃない!大変!急ぎましょう!」と一緒に早足で歩いてくれます。そして、やっとCターミナルへ。

 そこにはアメリカの税関の人がいて、パスポートをチェックしています。私の顔を見たその人は、「何で、アメリカに行くんですか?」と真顔で聞いてきます。どこの税関でも、私のような無害なおばさんは呼び止められることもなく、スムーズに通ることができます。

 それに慣れていたため、いきなり、「何で…」と聞かれ、ドギマギしてしまいました。しどろもどろの英語で、「あの…、結婚式に参列するためです」と小声でもぞもぞ…。すると、これまで私の後ろにいて全く役に立たなかった息子が、「従姉妹の結婚式に出席するんです」と説明してくれました。

 とっさに「叔父」ではなく、「従姉妹」と答えたのは、何かまずい!と考えたのでしょうか(何も悪いことはしていないのですが、息子もいきなりWhy?の質問に動揺したのでしょう)。で、無事にそこを通って、セキュリティへ。飲料水は持ち込めないので、そこで、ペットボトルの水を飲み干しました。

 しかし、なぜか、私のリュックサックが引っかかりました。男性の職員がバッグの中を調べ、3本の空のペットボトルを表に出します。そしてさらにバッグの中をガサゴソと探します。で、もう1本のペットボトル入りの水を探し出しました。その男性は、「Great Job だったね、でも、この1本はもらいますよ」とにこり。

 空のペットボトルを捨てずにとっておいたのは、娘が「オーストラリアのペットボトルは柔らかすぎて使えない。日本のペットボトルはしっかりしていて、再利用が何回でも出来る」と言っていたから。3本もあって、ちょっぴり恥ずかしかったけど、ちゃんとセキュリティは通りました。

 ゲートに着いたときはもう搭乗が始まっていました。珍道中という感じでしたが、何とか無事シカゴ行きの便に乗り込むことができたのでした。


2025年9月4日木曜日

シカゴへ

  今、息子と一緒に成田空港でAIR CANADAに乗りました。これから、カナダのモントリオール経由でシカゴに行きます。土曜日に行われる義弟の結婚式に出席します。

 夫はひと足早く月曜日に向かいました。義父母の家にはすでに、コロラド州から従姉妹、テキサス州から姪っ子とパートナーが来ているそうです。

 結婚式はお隣のウィスコンシン州で開かれるため、義父母と従姉妹たちは木曜日にそちらに向かいます。夫の兄とお嫁さんはミネソタ州から、すぐ下の弟家族はミシガン州から、甥っ子とパートナーはオレゴン州から、姪っ子たちはサウスカロライナ州から、夫のもう1人の従姉妹家族はオハイオ州から、わたしと息子は日本から、そして娘はオーストラリアから合流します。娘は家族の中で一番遠いので、今朝メルボルンを出ました。

 息子も娘も学期の途中ですが、家族全員が集まるイベントはなかなかないので、思い切りました。

 また、アメリカから報告します。 

2025年9月3日水曜日

息子が14歳に

  息子が14歳になりました。暦の上では秋ですが、暑い日々が続き、まだまだ夏の東京。息子は暑い夏に生まれたのです。

 予定帝王切開で生まれました。誕生日は仏滅。主治医に「私は死産をしているので、また同じようになるのではと不安です。無事産みたいので、仏滅だけは避けてください!」と懇願しましたが、「その辺りは学会があって、医師が少ないので」と断られ、仏滅の日になりました。

 でも、息子は元気に生まれてきてくれました。3123㌘もありました。娘のときは1人が死産だったため、誰もおめでとうとは言ってくれませんでした。皆、どう言葉を掛けていいのか分からなかったのです。でも、息子のときは、医師、看護師、友人…。沢山の人が「おめでとう!」と言ってくれました。あれから病気一つせず、スクスク育っています。

 息子はもう身長が173㌢ぐらいあって、私にハグしてくれるときは、ぐっと下を向きます。あんなに小さくて可愛かった息子はどんどん成長しています。今やお弁当と夕食づくり、洗濯だけが私の仕事で、もう何も手をかける必要がありません。本当に寂しい。お弁当づくりはあと4年あるので、大事に楽しみたい。

 さて、誕生日はまず、母を招待して食事をしました。リクエストは「ミートパイ」を予想していましたが、「マカロニチーズ」でした。マカロニチーズはアメリカ人のソウルフードみたいなもので、私なりに改良を重ね、子どもたちもとても気に入ってくれているのです。このマカロニチーズとポークソテー。チーズが苦手な母にはサーモンにしました。

 ケーキは夏男らしく、毎年サーティワンのアイスケーキをリクエストしてきます。娘は私の手作りアップルパイと夫のチーズケーキを毎年リクエストしてきますので、これもきょうだいで違うところが面白い。

夫からのプレゼントはバスケットボールとリストバンド。私からはボールが入れられるバッグとNBAのタオル、そしてパズル。テーマはバスケでした

 そして、毎年恒例のディズニーへ。毎年リクエストを聞くのですが、今年は2年連続のディズニーシーに行ってきました。娘ともフェイスタイムで話し、家族の記念写真は携帯画面に映った娘も入れて4人で。娘がいなくて寂しいですが、画面いっぱいに笑った娘が写真に収まってくれたので、十分幸せだなぁと思いました。

ディズニーシーはお花が綺麗でした

息子も背が高くなり、夫にだんだん近づいています

14歳はまだまだ子ども。14歳の息子との日々を楽しみたいです。 

ディズニーシーの入り口の前にある地球儀。オーストラリアを背景に娘も入れて、写真撮影

2025年9月2日火曜日

ゆきちゃんを囲む会

  昨日、空に逝ってしまったゆきちゃんを囲む会を開きました。オーストラリアから一時帰国したママを含め、ゆきちゃんと親しかった5人で和食店に集まりました。

   ゆきちゃんはいつも皆の中心で、「お花見しない?」「ランチしよう!」「花火しよう!」と声を掛けてくれました。子どもの幼稚園で知り合った私たちが、子どもたちが中2になってもこうして集まっているのは、ゆきちゃんのお陰です。

 2016年にがんの診断を受け治療をしていましたが、今年春まで普通に暮らしていました。ですので、皆、ゆきちゃんが病気であることを忘れるくらいでした。昨日も、まだ皆、この世を去ったことを受け止めていませんでした。

 私も実は、毎日ゆきちゃんのことを思っては泣いています。とにかく、寂しい。ましてや、ご家族の寂しさはいかばかりかと胸が締め付けられます。私たちの子どもと同じ中2の娘さんは、新学期が始まり、自分でお弁当を作っているそうです。料理がとても上手だったゆきちゃん、どれほど子どもたちのお弁当を作りたかっただろうと考えると、胸が詰まります。

 亡くなった後、ラインにメッセージを送ってしまいました。そして、一昨日もこの春のお花見のときに一緒に写した写真をラインに送りました。2回とも既読になっていますので、恐らく、ご主人が見ているのだと思います。申し訳ないな、と思いつつ、ずっと長い間、ラインでおしゃべりをしたり、ランチやイベントの打ち合わせをしてきたので、もうラインでメッセージを送れないのかと思うと、寂しくて仕方がないのです。

 私は双子の1人を死産した後何年間も泣き続け、そして、父を失ってからもずっと泣き続けていましたが、今回も本当に辛い。大切な友を失うということは、これほどの悲しみなのだと初めて知りました。

 ゆきちゃんがこれまで送ってくれた年賀状を見返しました。毎年、十数枚の家族写真を使った年賀状をくれました。毎年この年賀状を見ると、「私は元気だよ。私は幸せだよ」というメッセージがひしひしと伝わり、私も幸せな気持ちになっていました。もう、この年賀状も来ないんだな…と思うと、寂しくてたまらない。

 今日、ママ友がオーストラリアに戻りました。また、帰国したときに会おうねと皆で約束しました。私たち5人のグループラインの名前は「ゆきちゃんを囲む会」。ゆきちゃんがつないでくれた縁をこれからもずっと大切にしていきたいと思います。